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14000人の傍観者(フォロワー) ~日向市の裁判ではインターネットにおける情報発信の在り方が問われている(前編)~2






☆ブログは大丈夫か

では、ブログはどうだろうか?

当初ブログは日々の自分のことを綴る、いわばネット上の日記という捉え方をされていた。「Web(ウェブ)をLog(ログ)する」という意味でWeblog(ウェブログ)と名付けられ、それが略されてBlog(ブログ)と呼ばれるようになった。

2001年のアメリカでの同時テロの模様を音楽家・坂本龍一氏がブログで伝えたことで、日本でもブームとなった。

その後、個人の情報発信の最強のツールとして生まれ変わり、「アルファブロガー」と呼ばれるそれなりの影響力を持つ人物を産んだ。「ブログで稼ぐ」、アフィリエイターも出現し、アフィリエイトが認知され普及していった。

ツイッターと違い、文字数に制限がないブログは、今でも手軽な個人の情報発信ツールである。


それだけにいろいろとトラブルも発生する。


このことは後でも取り上げることにするが、一番の問題はブログに掲載する内容である。

ご存知のように、ブログにはテキストだけではなく、写真や動画を掲載することができる。また、リンクを貼ることで引用先へジャンプすることもできる。マルチメディア(もはや死語か・・・)的な表現が可能である。

しかし、その掲載する写真や動画などは大丈夫なのか?ということである。

公序良俗に反しない、自分に著作権がある写真かどうかということだが、大半のブログは著作権者に許可をとっていない写真をそのまま掲載している。

著作権違反は「親告罪」で、著作権者が違反しているブログを特定し提訴しなければならない。

何千何万とあるブログから、自分に著作権がある写真を見つけ出すことは大変である。

私もこれまでに30数件ほど著作権侵害でブログ管理者を特定してきたが、普通にグーグルの画像検索で探すという手法である。検索では一度では発見できず、それは根気のいる作業である。

そうした苦労を考えると、著作権者側が黙認したほうが良いと考えるのも当然ではあるが、それでも「著作権侵害」には変わりはない。

あなたのブログで写真を使用する場合、著作権者が分かっていれば連絡してあげてください。それがマナーです。



動画も同じである。


ただ動画の場合、例えばYouTubeでは動画再生プレイヤーをブログ埋め込める機能があり、それを許可するかどうかは動画投稿者(著作権者)側で決めることができる。

引用として他人の動画がブログに使われている場合、著作権者が使用許可を出しているのと同等なため、著作権侵害にはならない。

しかし、著作権者に無断でYouTubeから直接動画をダウンロードする行為は、YouTubeの利用規約で禁止されている。

また、YouTubeに違法にアップロードされている動画を知っていながら無断でダウンロードする行為は、著作権法における「違法ダウンロード」になるので注意してほしい。




☆ブログで肝心な文章は大丈夫か

 ツイッターで話した「コミュ障」ではないが、ツイッターで文章がおかしい人は、ブログでもやはりおかしいのである。

 ブログには140文字という制限はないので、ツイッターよりははるかに自由に書けるはずなのだが、やはり、おかしい文章は存在する。

・主語述語の関係がおかしい。
・言葉の係り受けがおかしい。

という文章の基本に関することはツイッターと同じだが、それ以外にも

・裏付けをとった取材による文章なのか
・どこまでが事実でどこからが筆者の考えなのか
・ありのままを書き過ぎていないか
・ネット上にはない個人情報を書いてはいないか

等々、ケースバイケースによるが、様々なブログ記事を拝見させていただくなかで、一番気になるのは、事実だからと言ってありのままを書くとか、インターネットには公開されていない個人情報を含んだ文章を書いていることである。


ブログ記事にリアリティを出すための演出だとしても、「書いても良い限度」というものがある。


本人は、ありのままを書くことで自分の正当性を説明したいのかも知れないが、その限度を超えてしまうと、読者も嫌気が差すだろうし、トラブルにも発展する。


ブログは不特定多数が閲覧する。

そこを狙って不特定多数が読んでも問題ないような文章を書いていく。

ブログで問題提起をしたいのであれば、不特定多数に賛同を得るような文章を書かなければならない。

これがかなり難しく、書くことが好きな私でさえ、十分に問題提起の文章が書けているとは言えない。まだまだ文章修行が足りない。




☆誹謗中傷はしていないか
 いつもより気合いを入れて文章を書くあまり、相手に対する思いやりに欠けるような文章を書いたことはないだろうか。

 もちろん、ラブレターやビジネス文書でそういうことを書く人はいないだろうが、ツイッターやブログでは違うのである。

 なぜかインターネットでは、面と向かって言えないことが書ける、人がいる。



 相手への誹謗中傷である。



 テレビ電話や動画で相手の顔を見ることはできるが、ツイッターやブログ等のSNSでは相手の顔を見ながら交流することはできない。

これまでにも述べてきたように、基本は「文章」である。
相手を思いやることも非難することもすべて文章で表現する。

理想論ばかり書いているわけではないが、不特定多数が利用するインターネットにおける最低限のマナーは守らなければならない。

実際に裏付けも取れて相手に非があることが分かった場合、とれる手段はいくつでもある。

・相手に直接電話やメールで確認する。
・SNSのメッセージ機能で相手に確認する。
・それでも何も反応がなければしかるべき措置をとる。

警察に相談、裁判を起こすなども考えられる。


 特定の個人ではなく、誹謗中傷をやめてほしいということをブログで伝えることはできる。

 前述したように、私の写真への著作権侵害が今でも絶えないため、警告としてブログに記事を掲載している。

警告文に個人名を掲載していると、事実だとしても、逆にその相手から訴えられることもあるからだ。

そのため、やはりブログで使う言葉には慎重にならざるを得ない。

 インターネット上では、時として自分が被害者になったり加害者になったりする。それはあなたが使っている言葉次第である。

日本では古くから、声に出した言葉が現実の事象に対して何らかの影響を与えると信じられ、良い言葉を発すると良いことが起こり、不吉な言葉を発すると悪いことが起こるとされてきた。


いわゆる「言霊(ことだま)」である。


インターネット上でも例外ではない。


インターネット上であなたが書いた良い言葉がもとで、良いことが起こるかもしれない。あなたが不吉なこと嫌なこと事実ではないことなどを書いたら、悪いことが起きるかもしれない。

2003年12月、裏付けも何もない主婦のメールがもとで、大きな事件が起きた・・・


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【後編概要】
2 2003年佐賀銀行取り付け騒ぎ
3 日向市で起きた問題(Kファイル)の裁判の概要
4 インターネットにおける名誉毀損とその責任
5 裁判後のこと



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