これは今に始まったことではありませんが、本日私が目撃したことはあまりもおかしかったので、記事としてご紹介します。
宮崎県西都市には国の特別史跡、西都原古墳群があります。
歴史で習ったことがあるのではないかと思います。
古墳は、昔の人のお墓であることもご存じかと思います。
その西都原古墳群で鬼の窟古墳は唯一、古墳の中に入ることが出来る古墳として知られていますが、そこは『お墓』であるということを忘れてはいけません。
今日、2023年3月30日、西都原古墳群を訪れ、桜と菜の花のコラボレーションを眺めたり、写真に収めたりしていました。
鬼の窟古墳にさしかかると、古墳(円墳)の土手の上からカメラを持って大声で下に向かって話している人がいました。
よく見ると、桜と菜の花のコラボレーションを背景に結婚式の前撮りをしていました。
土手の上にいたのはカメラマンでした。
何か指示をするためにそのカメラマンは古墳に土手を一気に駆けおり、新郎新婦にもとにいき、話が終わると、また土手を一気に駆け上がり、撮影を繰り返していました。
その様子を周囲の人も見ていたようで、数人の観光客(花見客)が同じようにして土手を駆け上がって写真を撮っていました。
この鬼の窟古墳には入り口があり、古墳の周囲の土手に上れるように階段もあります。
通常はこの階段を使うのですが、面倒くさいのでしょうね。以前から土手を駆け上がる人も見受けられました。
私は何度か注意したこともありますが、後を絶ちません。
今回も注意しようかと思いましたが、婚礼の撮影ということもあり、様子を見守るだけにしたのですが・・・
一通り撮影を終えて、機材を抱えてその場を立ち去ろうとしたカメラマンは、若いカップルがその鬼の窟古墳の土手を登ろうとしていました。
カメラマンが登っていたところです。
するとそのカメラマンは、そのカップルに向かって、こう言い放ちました。
「土手の登り口は反対側にありますから、そこから登ってください」
おいおいおい。
自分が何度も土手をのぼりおりしたにもかかわらず、他人に対してはそんなことを言うの?という感じでしたね。
カメラマンは、確信犯でやっていたということです。
土手を登ってはいけないということを知ってはいたということです。
やはり注意しようと思いましたが・・・
そののぼりおりしていた土手を見ると、くっきりと足跡がついているというか、今にできたようなものではなく、以前からここをのぼりおりしていた形跡があったので、この特別史跡を管理している西都市に電話しました。
西都市の教育委員会の担当の方に事情を説明しました。
その後折り返し電話があり、宮崎県立西都原考古博物館が古墳を管理しているので、土手をのぼりおりしないように対策をとるとのことでした。
というか、今に始まったような問題ではなく、これまでに対策をとってこなかった行政側にも問題があるのではないかと思います。
いずれにせよ、
・故人の、古代人の墓である古墳を、現代の日本人がこのように扱ってよいのか。
・国の特別史跡の意味を理解しているのか
・文化財を護るという意識はあるのか
・文化財保護の行政の現場は機能しているのか
等々、様々な課題が見えてきそうです。
少しこの件、今後の成り行きを見守っていきたいと思います。
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