世界農業遺産(GIAHS: Globally Important Agricultural Heritage Systems、ジアス)とは、社会や環境に適応しながら何世代にもわたり発達し、形づくられてきた農業上の土地利用、伝統的な農業とそれに関わって育まれた文化、景観、生物多様性に富んだ、世界的に重要な地域を次世代へ継承することを目的に、国連食糧農業機関(FAO)が2002年(平成14年)から開始したプログラムです。(農林水産省/世界農業遺産より)
2015年12月15日、世界農業遺産の認定の可否を決定する「GIAHS運営・科学合同委員会」が、FAO本部(ローマ)において開催されました。
そして、岐阜県長良川上中流域、和歌山県みなべ・田辺地域及び宮崎県高千穂郷・椎葉山地域が新たに認定されました。
宮崎ではローカルニュース等で大々的に取り上げられ、今後の取り組みに期待を込める動きが出ています。
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しかし、それで良いのでしょうか?
「世界遺産」「ユネスコ記憶遺産」等、「遺産」として認定されているモノのほとんどは、すべて「過去のモノ」。
「世界農業遺産」は、過去の遺物ではなく、上記にも書いてありますが、
社会や環境に適応しながら何世代にもわたり発達し、形づくられてきた農業上の土地利用、伝統的な農業とそれに関わって育まれた文化、景観、生物多様性に富んだ、世界的に重要な地域を次世代へ継承することを目的
としています。
これで本当に次世代へ継承することができるのでしょうか?
日本における農林業が抱える様々な問題、人口減少、中山間地域の振興等々、市町村・県レベルで対応できなくなったことを、「世界農業遺産」頼みにしてはいないでしょうか?
市町村・県レベルで、この地域に対して、これまでにどのような取り組みを行ってきたのでしょうか?
「世界農業遺産」に認定されたから、FAOや国から補助金や予算が降りるのでしょうか?
それとも、「世界農業遺産」という看板に乗っかって、何かやろうという考えなのでしょうか?
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これまでに宮崎県は、数々の失敗を重ねてきました。
「リゾート法第1号」でシーガイア・リゾートをつくりましたが、その後、どうなったのでしょうか。リゾート、盛り上がっていますか?
「記紀変さん1200年」事業、2020年まで事業を展開する予定ですが、初年度は頑張ったものの次年度は・・・。
「中山間地域盛り上げ隊」の活動は、その後、どうなっていますか?
華々しく花火を打ち上げたものの、
いかんせん、後が続かない
状況です。
「予算がない」という理由で、JR九州の観光キャンペーンにも参加できない宮崎県
綾町も「ユネスコ・エコ・パーク」に認定されながらも、その後、どのような活動を展開しているのか、情報を発信しているのか・・・
いわゆる
マネージメントが出来ていない
のです。
「私たちだけではマネージメントができません」と認めた日南市は、外部から人材を求めて、着々と事業を進めています。
さて、今回の「世界農業遺産」認定で、宮崎県や該当市町村はどのような事業展開を行っていくのでしょうか?
「世界農業遺産」が、本当の「遺産」、過去のモノにならない
ようにして欲しいものです。
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