2018年6月20日、宮崎県議会商工建設常任委員会が開催され、エー・ピーカンパニー(以下、AP社)が運営する塚田農場の問題が議題に上がった。
塚田農場のメニュー表示について、宮崎県は県民など3名からその違法性を指摘する情報提供を受けながらも、2017年12月、東京のアンテナショップ「新宿みやざき館KONNE」のレストラン運営をAP社に委託した。
委員がこの委託の経緯を県に質したところ、「この件に関してとくに疑問を抱かずに粛々と進めた」(県幹部)とのこと。
この取材を始めた昨年、私もこの違法性を指摘して県の担当部署に電話をかけたことがあるが、「とくに違法性は認められない」という回答を得ている。
今後はどうするのか、という委員の質問に対して、
「宮崎のイメージを損なうようなことがないか、このまま様子を見る。改善が見られない場合は、検討する」とのこと。
この問題が発生してから、すでに1年以上が経過している。
当初から問題視する方々からの情報を得て取材を進めてきたが、宮崎県だけではなく、日南市も事の重大さに気づくことなくやり過ごしてきた。そのツケが回ってきたのだろう。
確実に、宮崎のイメージは悪くなっている。
AP社の問題は塚田農場だけではない。
JR東京駅京葉ストリートのAP社の店舗で販売されている「チキン南蛮弁当」。
「塚田農場=宮崎のチキン南蛮」というイメージが定着している状況において、この店舗では、ブラジル産のブロイラーを使用したチキン南蛮を販売している。
市民メディアみやざきCMMの取材に対して、AP社は
「今回の消費者庁からの措置命令は塚田農場のメニュー表示に関するものであり、他店舗には関係ない」
ということで販売を継続している。
確かに、措置命令は塚田農場のメニュー表示に限定されるだろうが、イメージ的にはどうだろうか。
塚田農場は宮崎県産の「みやざき地頭鶏(じとっこ)」を売りにしてきたわけで、「幻の地鶏」料理を味わうことができることで名をはせてきた。
紛らわしいメニュー表示で、チキン南蛮もそうであるかのように、いや、消費者庁の措置命令が適用(2017年4月17日~8月22日)されていない2017年11月末、塚田農場の八重洲北口店でチキン南蛮を注文したが、対応した女性店員は、やはり、「チキン南蛮も含めて全て宮崎県産を使っています」と発言していたように、「塚田農場=宮崎県産、地鶏、みやざき地頭鶏」というイメージは定着している。
取材を通じて、AP社は強気の姿勢を崩していないが、同業他社との生き残りをかけた熾烈な居酒屋業界において、AP社の株は低迷している。宮崎の食のイメージも、AP社の株同様で良いのだろるか?
強気の姿勢を崩していないのはAP社だけではない。
なぜか、日南市も、強気である。
市民メディアみやざきCMMの指摘を受けて、一時、YouTubeから削除した塚田農場が映り込んでいる動画を、再度掲載している。
また、日南市総務部秘書広報課の担当者によると、ふるさと納税の返礼品の1つである塚田農場の食事券を取り下げる予定はないとのことである。
日南市の崎田恭平市長は、自身のブログで「米山社長とは、私が市長に就任してから懇意にさせていただいており、本当に尊敬できる兄貴だと思っています」と書いている。兄弟の契りを交わした以上、何があっても兄貴を守るということだろう。
・エーピーカンパニーが日南で入社式(崎田恭平公式サイト)
AP社も、店舗内に掲げている崎田恭平日南市長のパネル等を取り払うことはしない、と回答していた。
なんとも美しい兄弟愛ではある。
しかし、1企業であるAP社に対して、行政が「そこまでやる?」という感は否めない。
AP社の今後の動き次第では、「新宿みやざき館KONNE」のレストラン運営を見直すとしている宮崎県と、いや、何があっても日南市はAP社と一心同体、兄弟ですを貫こうとしている日南市。
1企業のために明暗を分けることになるのか、今後も取材を続けていきたい。
【過去記事】
この件は、昨年からみやざき市民メディアCMMでも追及記事を掲載してきた。
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市民メディアみやざきCMM 大谷憲史
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