2016年(平成28年)6月3日、『本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律』(平成28年6月3日法律第68号)、いわゆる『ヘイトスピーチ対策法』が制定されました。
この法律は、本邦外出身者に対する不当な差別的言動(ヘイトスピーチ)の解消に向けた取組を推進するため、基本理念および国と地方公共団体の責務を定めるとともに、国や地方公共団体が相談体制の整備・教育の充実・啓発活動などを実施することについて規定する日本の法律です。(Wikipediaより)
この法律が制定されてから、そろそろ2年。
まだまだインターネット上にはヘイトスピーチが野放しになっている状況があり、憲法が保障する『言論の自由』『表現の自由』を持ち出して、「言論弾圧である」と主張する個人、団体等も見受けられます。
リアルでの活動は警察にお願いすることになるが、インターネット上でのヘイトスピーチ対策はまだまだである。このヘイトスピーチ対策法には具体的な罰則規定がありません。
2017年6月以降、ある1人の弁護士が身に覚えがないのに「朝鮮学校への補助金交付に賛同している」とネット上で扇動され、その弁護士に対して大量の懲戒請求を送られる問題が起きました。
他の弁護士が、この懲戒請求について「根拠のない請求はひどい」とツイッターに書き込んだことに対して、この弁護士にも大量の懲戒請求を送られるという状況になってしまいました。
この件は、2018年6月末をめどに。懲戒請求を行った請求者に対して、それぞれ60万円の賠償を求める訴訟を起こすことになっています。
『余命三年時事日記』というブログで書かれたことがそもそもの始まりで、このことは5ちゃんねるで取り上げられ、今でもスレッドが伸びているようです。
また、2018年5月18日には、『新潟女児殺害事件の犯人は在日だった』というタイトルの動画が、YouTubeの利用規約、コミュニティガイドライン違反ということで、ユーザーからの動画レポート(報告)によってYouTubeから削除されました。
これらのことがきっかけとなり、今回の『ネトウヨ春のBAN祭り』が始まりました。
「単なる悪ふざけだ」という声を耳にしますが、すべては日本政府が制定した『ヘイトスピーチ対策法』に基づく、日本国民によるYouTubeへの報告活動なのです。
『日本国憲法』『ヘイトスピーチ対策法』、そして、YouTubeには『利用規約』『コミュニティガイドライン』『ポリシー』があります。それらに違反するような行為は、取り締まらなければなりません。
私も国民の1人として、この『ヘイトスピーチ対策法』を支持します。
日本国民は、このようなヘイトスピーチがあふれる社会を良い、とは思っていません。自分たちの主義主張を伝えることは大切なのかもしれませんが、法律を越えてまでやるものではありません。それではアナーキーになってしまいます。
私はこれからも、あらゆる勢力からの圧力に屈せず、YouTubeにはびこる『ヘイトムービー』を粛々とYouTubeに報告し、YouTubeが目標としている「コミュニティの健全化」に寄与するとともに、国民の1人としてできることをこれからもやっていきます。
下記に、法務省のヘイトスピーチ対策法関連のURLを掲載していますので、どうぞご確認ください。
【法務省】
・ヘイトスピーチに焦点を当てた啓発活動
・ヘイトスピーチに焦点を当てた啓発バナー
【関連記事】
・2弁護士訴訟方針 大量懲戒請求者に1人60万円請求(毎日新聞、5月16日)
・ヘイト動画を消滅させた「ネトウヨ春のBAN祭り」はネット上の革命だったのか?(Yahoo!ニュース、5月31日)
・「ネットではヘイトスピーチが野放しのままに…」制定2年、対策法の限界とは(Yahoo!ニュース、5月31日)
・本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律(Wikipedia)
『本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律』(平成28年6月3日法律第68号)
平成二十八年法律第六十八号
本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律
我が国においては、近年、本邦の域外にある国又は地域の出身であることを理由として、適法に居住するその出身者又はその子孫を、我が国の地域社会から排除することを煽せん動する不当な差別的言動が行われ、その出身者又はその子孫が多大な苦痛を強いられるとともに、当該地域社会に深刻な亀裂を生じさせている。
もとより、このような不当な差別的言動はあってはならず、こうした事態をこのまま看過することは、国際社会において我が国の占める地位に照らしても、ふさわしいものではない。
ここに、このような不当な差別的言動は許されないことを宣言するとともに、更なる人権教育と人権啓発などを通じて、国民に周知を図り、その理解と協力を得つつ、不当な差別的言動の解消に向けた取組を推進すべく、この法律を制定する。
第一章 総則
(目的)
第一条 この法律は、本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消が喫緊の課題であることに鑑み、その解消に向けた取組について、基本理念を定め、及び国等の責務を明らかにするとともに、基本的施策を定め、これを推進することを目的とする。
(定義)
第二条 この法律において「本邦外出身者に対する不当な差別的言動」とは、専ら本邦の域外にある国若しくは地域の出身である者又はその子孫であって適法に居住するもの(以下この条において「本邦外出身者」という。)に対する差別的意識を助長し又は誘発する目的で公然とその生命、身体、自由、名誉若しくは財産に危害を加える旨を告知し又は本邦外出身者を著しく侮蔑するなど、本邦の域外にある国又は地域の出身であることを理由として、本邦外出身者を地域社会から排除することを煽動する不当な差別的言動をいう。
(基本理念)
第三条 国民は、本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消の必要性に対する理解を深めるとともに、本邦外出身者に対する不当な差別的言動のない社会の実現に寄与するよう努めなければならない。
(国及び地方公共団体の責務)
第四条 国は、本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組に関する施策を実施するとともに、地方公共団体が実施する本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組に関する施策を推進するために必要な助言その他の措置を講ずる責務を有する。
2 地方公共団体は、本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組に関し、国との適切な役割分担を踏まえて、当該地域の実情に応じた施策を講ずるよう努めるものとする。
第二章 基本的施策
(相談体制の整備)
第五条 国は、本邦外出身者に対する不当な差別的言動に関する相談に的確に応ずるとともに、これに関する紛争の防止又は解決を図ることができるよう、必要な体制を整備するものとする。
2 地方公共団体は、国との適切な役割分担を踏まえて、当該地域の実情に応じ、本邦外出身者に対する不当な差別的言動に関する相談に的確に応ずるとともに、これに関する紛争の防止又は解決を図ることができるよう、必要な体制を整備するよう努めるものとする。
(教育の充実等)
第六条 国は、本邦外出身者に対する不当な差別的言動を解消するための教育活動を実施するとともに、そのために必要な取組を行うものとする。
2 地方公共団体は、国との適切な役割分担を踏まえて、当該地域の実情に応じ、本邦外出身者に対する不当な差別的言動を解消するための教育活動を実施するとともに、そのために必要な取組を行うよう努めるものとする。
(啓発活動等)
第七条 国は、本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消の必要性について、国民に周知し、その理解を深めることを目的とする広報その他の啓発活動を実施するとともに、そのために必要な取組を行うものとする。
2 地方公共団体は、国との適切な役割分担を踏まえて、当該地域の実情に応じ、本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消の必要性について、住民に周知し、その理解を深めることを目的とする広報その他の啓発活動を実施するとともに、そのために必要な取組を行うよう努めるものとする。
附 則
(施行期日)
1 この法律は、公布の日から施行する。
(不当な差別的言動に係る取組についての検討)
2 不当な差別的言動に係る取組については、この法律の施行後における本邦外出身者に対する不当な差別的言動の実態等を勘案し、必要に応じ、検討が加えられるものとする。
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