2018年5月22日。
消費者庁は、「みやざき地頭鶏」を売りにする居酒屋「塚田農場」で、商品の一部にブロイラーを使ったにもかかわらず、全てみやざき地頭鶏を使った料理であるかのように表示したのは景品表示法違反(優良誤認)に当たるとして、運営会社エー・ピーカンパニー(本社東京、以降AP社)に再発防止を求める措置命令を出した。
この件は、みやざき市民メディアCMMでも3回に分けて追及記事を掲載してきた。
消費者庁が動いたことで、塚田農場に対する風当たりは強くなるだろう。
AP社が展開する「塚田農場」や居酒屋「じとっこ組合」では、メニューに「地鶏一筋」「限られた農家しか生産が許されないみやざき地頭鶏」などと記載され、ひなの育成から店で提供されるまでの流通過程を示した図解も掲載されていた。
しかし、消費者庁表示対策課によると、「チキン南蛮」は全て外国産ブロイラーが使われ、「月見つくね」「塩つくね」も全て外国産ブロイラーだったり、地鶏を約5%混ぜたものだったりした。「椎茸つくね南蛮」には、地鶏ではない国産親鶏などが使われた。これらの商品のメニューに、地鶏が使われていないとの記載はなかった。
以下、全文を紹介する。
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弊社は、弊社の運営する 6つの屋号の飲食店において、過去に使用していたメニューブックの地鶏を使用していないメニューが、地鶏を使用しているかのような誤解を一般消費者に与えるとして、本日消費者庁より不当景品類及び不当表示防止法(景品表示法)に基づく措置命令を受けました。
お客様をはじめとする関係者の皆様に多大なご迷惑とご心配をおかけし、心よりお詫び申し上げます。弊社は、今般、消費者庁より受けたご指摘を真摯に受け止め、今後、誤解が生じない表記を徹底するよう、再発防止に取り組んでまいります。
1.消費者庁に認定された内容
(1)対象屋号
直営店舗:「宮崎県日南市塚田農場」「宮崎県日向市塚田農場」「鹿児島県霧島市塚田農場」
フランチャイズ店舗:「宮崎県日南市じとっこ組合」「宮崎県日向市じとっこ組合」「~宮崎日南幻の地鶏焼き~じとっこ」
(2)認定内容
①「宮崎県日南市塚田農場」及び「宮崎県日向市塚田農場」
弊社は、平成29年4月17日から平成29年8月22日までの期間に使用したメニューブックにおいて、その表紙に「地鶏一筋」と記載した印影を掲載し、2及び3ページに「みやざき地頭鶏」の紹介および流通過程を示した図を掲載しておりました。その上で、若鶏(いわゆる「ブロイラー」と言われる品種。以下、同じ)を使用した「塩つくね」および「月見つくね」を8ページに、「チキン南蛮」を9ページに記載しておりました。このような「塩つくね」、「月見つくね」および「チキン南蛮」の表示は、それらの商品にあたかも地鶏を使用しているかのような印象を与えるため、実際のものよりも著しく優良であると示す表示であるとの認定を受けました。
②「鹿児島県霧島市塚田農場」
弊社は、平成29年4月17日から8月22日までの期間に使用したメニューブックの2及び3ページに、「黒さつま鶏」の紹介および流通過程を示した図を掲載しておりました。その上で、若鶏を使用した「塩つくね」および「月見つくね」を8ページに、「チキン南蛮」を9ページに記載しておりました。このような「塩つくね」、「月見つくね」および「チキン南蛮」の表示は、それらの商品にあたかも地鶏を使用しているかのような印象を与えるため、実際のものよりも著しく優良であると示す表示であるとの認定を受けました。
③「宮崎県日南市じとっこ組合」、「宮崎県日向市じとっこ組合」、「~宮崎日南幻の地鶏焼~じとっこ」
弊社は、平成28年9月1日から平成29年9月3日までの期間に使用したメニューブックの2ページ及び3ページに、「みやざき地頭鶏」の生産者(「じとっこ組合」と記載)および流通過程を示した図を掲載すると共に、メニューブックの4ページおよび5ページに「みやざき地頭鶏」の紹介を掲載しておりました。その上で、16ページに若鶏を使用した「チキン南蛮」および「椎茸つくね南蛮」を記載しておりました。このような「チキン南蛮」および「椎茸つくね南蛮」の表示は、それらの商品にあたかも地鶏を使用しているとの印象を与えるため、実際のものよりも著しく優良であると示す表示であるとの認定を受けました。
2.再発防止策
弊社は、今回の措置命令を真摯に受け止め、以下の再発防止策を実施してまいります。
(1)誤解の生じない表記の徹底
現在使用しているメニューブックでは、今般ご指摘を受けたメニューにつきまして、いずれも既に若鶏を使用している旨をわかりやすく表記しておりますが、今後さらに、地鶏を使用している商品(もも焼きなど)と若鶏を使用している商品(チキン南蛮など)をメニューブック、店内表示物、オンライン表示物等にて明確に表現することを徹底してまいります。併せて、お客様窓口を開設し、お客様の店舗外での疑問に回答できる体制を構築します。
(2)役職員向けの周知・研修
弊社ならびに弊社関連会社の役員および従業員に対して、今般の措置命令の内容を周知すると共に、景品表示法の遵守に関する研修を実施致します。
(3)リーガルチェックの徹底
メニューブック等、弊社が編集に関わる制作物は、各店舗が独自に作成するものも含め、弊社ならびに店舗において法的な観点からそれぞれチェック致します。
(4)再発防止体制の整備
将来の事業の変化を踏まえ、弊社グループの景品表示法に関する対応力を強化するため、経営レベルでの推進体制を構築し、全社一丸となって同法の理解促進と適切な業務運営を行ってまいります。
(5)お客様への払い戻し
過去のメニュー表記に基づき該当商品をお召し上がりのお客様に対し、以下のとおり払い戻しを行います。
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AP社は、再発防止策として、「誤解の生じない表記の徹底」「役職員向けの周知・研修」「リーガルチェックの徹底」「再発防止体制の整備」を出している。
果たして、再発を防止することができるのだろうか?
問題はそれだけではなく、店舗外にも及んでいる。
これまでの取材で、この件をAP社に確認すると、「東京駅構内の店舗でチキン南蛮に使用している鶏肉については,特定の産地のものを使用しているわけではありません。なお,現在はブラジル産のものを使用しております。」とのこと。
店舗内でも店舗外でも同じで、「塚田農場」というブランドで商品を販売しているということは、消費者からすれば「みやざき地頭鶏」、いや、最低でも宮崎県産の地鶏、ブロ
イラーを使っているはずである。
しかし、こちらは「ブラジル産」とのこと。
宮崎県産でもない。
だが、「みやざき」を売りにしている。
今回、消費者庁は店舗外に関しては再発防止を求める措置命令を出してはいない。
しかし、今回、措置命令を出された同じ会社が販売に関わっているので、これで終わりということはないだろう。
今回、措置を受けて、AP社に確認の電話を入れた。ホームページに書かれていた電話番号は話し中だったので、直接、担当者の携帯電話にした。
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今回の件、誠に申し訳なく思っております。
今後は、消費者庁の措置命令に従って再発防止を行っていきます。
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ブラジル産のブロイラーを使用しているチキン南蛮弁当について尋ねると、「今回は店舗内に限ったことで、消費者庁からも東京駅構内で販売しているチキン南蛮弁当に関しては指摘を受けていない」とのことで、そのまま販売は続けるようだ。
大丈夫か? 塚田農場。
としか言えない。
このような状況を、宮崎県民、いや、「みやざき地頭鶏」関係者はどう思うだろうか。
この問題、取材を続けていたが、いつの間にか、AP社からの回答がなくなり、そのままにしていた。そして、今回の消費者庁による措置命令。
大手マスコミでは報道されたが、この記事を書いている5月22日午後6時現在、地元メディアはまだ報じていない。
取材を再開し、新たな情報をお伝えしていきたい。
【お願い】
今回の件に限らず、「食の安心安全」において問題がありそうな店舗、食材に関する情報をお持ちの方、ぜひ、情報提供をお願いいたします。
メールアドレス:cmm@cam.bbiq.jp
また、 日頃から市民メディアみやざきCMMの活動にご理解をいただきありがとうございます。
誠に心苦しいお願いではございますが、今後も継続的な情報発信ができますように、皆さまからのカンパをよろしくお願いいたします。
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・1口1000円
・宮崎太陽銀行(銀行コード0591)
大塚支店(支店コード017)
普通口座 1124478
名義人 オオタニ ノリフミ
申し訳ございません。振込手数料はご負担ください。
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どうぞ、よろしくお願いいたします。
市民メディアみやざきCMM 大谷憲史
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