国境なき医師団(MSF)日本からの最新情報です。 どうぞ、お読みください。 国境なき医師団(MSF)日本 医薬品特許プール(The Medicines Patent Pool)*は2月27日、ヴィーブヘルスケア社(ViiV Healthcare:ファイザー、グラクソ・スミスクライン、シオノギ製薬による合弁会社)との取り決めにより、HIV治療薬「アバカビル」の小児用製剤の特許実施が認められたことを発表した。これを受けて、国境なき医師団(MSF)は、下記の声明を発表する。 *医薬品特許プールは国連の後援を受け、公衆衛生のためのビジネスモデルを提案し、HIVの薬価引き下げと途上国での使用に適した薬剤開発の促進を目指す団体。世界保健機関(WHO)の運営を受ける国際医薬品購入ファシリティ(UNITAID)を通じた国際社会の要請を受け、2010年に設立された。 ―記― このたびの特許実施許諾は、医薬品特許プールが製薬会社とこれまでに結んだ取り決めを上回る喜ばしい進展だ。しかし小児HIV治療薬の市場が不安定でまとまりに欠ける現状を鑑みれば、ヴィーブヘルスケア社が今回の取り決めにすべての開発途上国を包括していない点は遺憾である。 ヴィーブヘルスケア社のいっそうの協力姿勢は、小児製剤の普及の今後に期待をもたせる。しかし、私たちが望む真の現状打破とは、同社の新薬「ドルテグラビル」を、全ての開発途上国の成人および子どもが入手できるよう取り決めがなされることだ。 一方で、許諾の事実およびその条件を公表するといった、特許実施の自発的許諾交渉における透明性向上のための努力は評価すべきだろう。 国境なき医師団(MSF) 必須医薬品キャンペーン 知的財産所有権顧問 アジズ・ウル・レーマン 以上 PR TIMES