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サヘル地帯:マリ人難民キャンプの劣悪な環境が病気の原因に





国境なき医師団(MSF)日本



 マリ北部の戦闘により、アフリカ・サハラ砂漠南縁のサヘル地帯では、人びとが集団移動を余儀なくされている。避難先となる難民キャンプの環境は劣悪であり、病気やその他の苦しみを引き起こしている。


 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によると、約15万人のマリ人難民が、ブルキナファソ(フェレリオ、ディビッシ、ンガトゥル・ニニ、ガンダファブ)、モーリタニア(ムベレ)、ニジェール(アバラ、マンガイゼ、アヨル)の各キャンプに滞在しているという。


 国境なき医師団(MSF)は2012年3月から、これら8ヵ所のキャンプで医療援助活動を続け、1次医療、母子保健医療、栄養失調治療を提供してきた。また、生後6ヵ月~15歳の子どもを対象とした1次医療およびはしかの予防接種も行っている。2013年の診療件数は合計約1万2000件、予防接種の対象となった人数は5000人を数える(2月13日現在)。


 2012年1月以降、女性と子どもを中心に約6万7000人の難民が到着した国境のモーリタニア側の町ファサラ。多くの人がトラックやロバで移動していた。

「国境の町ファサラに皆、渇き切った身体で疲労の色を見せながら、たどり着きます」

 そう話すのは、モーリタニアにおけるMSFの活動統括責任者、カール・ナウェジだ。

 難民は担当局の登録を受けたのち、ムベレに移送されるまで一時滞在キャンプで待機する。ムベレはモーリタニア国内の砂漠地帯にあり、マリ国境からわずか30kmの場所に位置する孤立した小村だ。


◇キャンプの劣悪な環境


 ムベレの難民たちにとって、人道援助は唯一の頼みの綱だ。これまでに配給されたテントも相当数にのぼるが、十分ではない。人びとは「集合場所」と呼ばれる大きなテントの下に集められるが、風雨をしのぐことはできない。

 待ちかねて、むしろと布切れを使った即席の住居を自分で組み立てた人もいる。砂塵嵐から身を守るためだ。

 「ほかの国と同様、モーリタニアでも難民たちが、キャンプの劣悪な環境を原因とする下痢、呼吸器感染症、皮膚感染症に苦しんでいます」とナウェジは説明する。


◇パニック状態で避難


 2012年における集団移動や国境通過は整然としていたが、先ごろ、マリで軍事行動が拡大して以来、同国のトンブクトゥ、レレ、グンダム、レルネブ、ニアフンケから、約1万4000人の難民がパニック状態で避難。何日も移動した挙句、ほぼ着の身着のままでやって来る。

 ナウェジによると「このところの情勢の推移がパニックを引き起こしています。人びとは、戦闘に巻き込まれることを恐れて、逃げまどっているのです」という。



◇栄養失調は恒常的な懸念事項


 2012年11月、ムベレで行われた栄養調査により、約5人に1人、割合にして17%の子どもが栄養失調状態、また、キャンプ到着時点で4.6%の子どもが重度栄養失調状態であることが明らかになった。

 MSFの医療チームも重度栄養失調の予防・治療活動の規模を拡大している。

 ナウェジは「主な課題は、子どものための予防接種とマラリア予防の徹底、必要な栄養素を含む食糧の確保です」と話す。


 MSFは複数の栄養治療センターを開設し、重度栄養失調児を治療。栄養治療センターでは国境を接する3ヵ国から、これまでに合計1000人の子どもを受け入れている。

 受け入れた子どもたちには、特殊なミルクと高栄養価の治療食が与えられる。栄養失調の子どもは、はしか、マラリア、下痢といった病気にかかりやすいため、健康状態を入念に観察する必要がある。

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 MSFは、不偏・中立の原則を順守し、医療を提供する独立の医療・人道援助団体。マリでの活動はいずれの国の政府からも資金援助を受けておらず、民間からの寄付のみで行われている。

 同国内の活動地はトンブクトゥ、ガオ、アンソンゴ、ドゥエンザ、コナ、モプティ。また、2009年以来、南部のクティアラでベッド数350床の小児病院も運営中。マリでは、1992年から継続的に活動している。






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