スキップしてメイン コンテンツに移動

ケニア:MSF、タナ川デルタの紛争被害者に心のケアを提供


 
 
 
 
 
国境なき医師団(MSF)日本




 国境なき医師団(MSF)は、ケニア沿岸州のタナ川下流三角州地帯(タナ川デルタ)で発生した紛争で、精神的外傷を負った被害者たちに心理ケアおよび医療援助を提供している。

 2012年8月以降、この地で起きた武力衝突により、約200人が死亡し、数百人が負傷、2500世帯以上が住む場所を追われ、医療施設も破壊された。現在、治安は改善されたと言われているが、不安定な状況は続き、住民は報復攻撃や報復によって引き起こされる衝突を強く警戒しており、身体的・精神的な健康状態が悪化している。
___________________________________________________

◇深刻な暴力のトラウマ

 MSFの看護師でありカウンセラーでもあるエリザベス・オレーラは「最も深刻な影響を受けているのは女性たちです。自分の子どもたちが焼き殺された光景が頭から離れずに苦しんでいるのです。子どもたちから引き離されるのではないかと恐れている母親たちもいます。また、住んでいる場所から避難し、住む家もない状態に不安を抱えています。例えばある患者は、子どもたちを全員一緒に連れて逃げることが出来ず、後から2歳の息子を迎えに行きその子に火をつけられる場面を目撃してしまいましたが、ただ見ている以外になす術がなかったと言います」と話す。

 MSFは、2012年9月より、紛争被害者を対象とした心理療法を、個別とグループ別に提供している。

 主に喪失感や悲嘆によって引き起こされる不眠症、無言症、動悸、幻覚、食欲不振などに苦しむ患者だが、深刻なケースでは、自殺あるいは殺人衝動を示す患者もいる。

 MSFのカウンセラーはこの4ヵ月間、数ヵ所の難民キャンプで合計1874人以上の患者に対するグループ療法と50人以上の患者に対する個別療法を実施した。

 また、学校でもこうした心理ケア活動を展開し、4ヵ所の学校に勤務する教師計30人と40人以上の保健医療従事者を対象に、心理カウンセリングのさまざまな側面に関する研修を行った。

 心に傷を負った子どもたちに接し、エリザベス・オレーラは「セッションを終了するのが困難なほど、子どもたちが感情的になってしまうこともあります。一方、話すことをやめてしまった選択性無言症の子どももいます。不眠症の子どもには、学力の低下が見られます」と説明する。


◇対処メカニズムで将来にも備え

 またMSFは、さらなる攻撃への恐れから医療施設へ行けずにいる傷病者がいるのではないかという懸念から、避難民キャンプや遠隔地域に移動診療所を設置し、避難民に基礎医療を提供している。

 こうした基礎医療活動を通じて、心理ケアを必要とする患者を把握し援助を提供することも可能となる。

 MSF地域医療アドバイザーのヨーケ・ヴァン・ペテヘム医師は、「MSFチームは、人びとに対処メカニズムを身につけてもらうことを重視しています。そうすることで、現在直面している状況だけでなく、将来発生しうる暴力にも対処できるようになります。この不安定な地域では、人びとは今後も暴力にさらされる可能性があります」と強調する。

________________________________________________________________________________

現在MSFは、今週発生したタナ川デルタにおける武力衝突の被害者に医療援助を提供している。ケニアではMSFは1987年から活動を展開しており、現在はキベラ、マタレ、ホマベイ、およびダダーブ難民キャンプにおいてプログラムを実施している。また、ケニア国内で発生するさまざまな医療緊急事態に対応している。



PR TIMES

コメント

このブログの人気の投稿

【Android au IS04不具合戦争?】auお客様センター上席責任者からの回答

 午後2時50分過ぎ、auお客様センターからお電話がありました。  でも、前半のお電話のやりとりって、これほどまでに客である私の情報が、担当したオペレーターを通じて上席責任者に伝わっていなかったんだろうと、auお客様センターの対応に呆れてしまいました。そういう体質なんでしょうか? ■ 上席「昨日はお電話をありがとうございました。IS04の修理に伴う代用機の手配の件ですが、大谷様行かれましたauショップには8GBSDカードに対応する代用機がなかったということで、私どものほうで、宮崎市内ではございますが、別のauショップで代用機の手配をいたしました。」 私「はい?代用機とは何のお話ですか?」 上席「いや、昨日、大谷様から私どものオペレーターにそのようなお話があったようで、責任者である私のほうで手配いたしました。」 私「え?そんなことで上席責任者に電話を取り次いでくれとオペレーターさんにお願いした覚えはございません。」 上席「そのように承っておりますが・・・」 私「代用機の件については、昨日のオペレーターさんにもお話ししたのですが、情報をきちんと共有されているのでしょうか?」 ということで、私が昨日、責任がとれる上席者に電話を取り次いで欲しいと言う内容が、いつの間にか、auのほうで、「代用機の手配」に変わってしまっていました。 auお客様センターでの会話は録音されているワケですから、その会話を再生すれば話の流れから、私が代用機の手配のためではないことは分かるはず。 昨日、auショップの店員さんには、「しばらく様子をみます」ということをお伝えしていたのですが・・・。 話の本質は、こんなことではありません。 ■■ 私「私が上席責任者に電話を取り次いで欲しいとオペレーターさんに伝えたのは、昨日(3月28日)の調査結果の経緯を知りたいためです。1か月近くあり、調べますと言っておきながら、調査結果は原因不明ですでは、あまりにもずさんです。」 上席「はい。私どもがご説明できるのは、昨日の担当が申し上げましたように、調査結果は原因不明なので、お客様にはお近くのauショップにIS04を持ち込んでいただき、基盤交換をお願いしたく、その旨をおつたえするだけです。」 私「これまでの説明を聞いていると、基盤交換をすれば治る

宮崎県日南市で持ち上がった『イクボス』市長のセクハラ・パワハラ疑惑?

【追記:2017年2月24日午前11時45分 】  2月24日午前、崎田恭平市長代理人の弁護士からの『文書削除申入書』を受け入れ、本文の一部を削除しております。 ☆ 日南市とは  宮崎県日南市は、宮崎県の南部に位置し、東に日向灘を臨み、西は都城市・三股町、南は串間市、北は宮崎市に隣接している。 2015 (平成 27 )年 10 月 1 日現在の国勢調査で、人口は 54,090 人。平均気温は 18.7 度で、年間を通じ温暖な気候のため、日本プロ野球、広島東洋カープのキャンプ地として知られている。( データは日南市ホームページより )  この日南市と言えば、 2013 (平成 25 )年、日南市の中心市街地・油津商店街の再生を進めるために月収 90 万円で「現地在住型の日南市テナントミックスサポートマネージャー」を募集したことが話題になった。   2015 年 11 月には核となる『多世代交流モール』がオープン、テナントミックスサポートマネージャーの公約である『商店街の中に 20 店舗誘致・出店』もほぼ達成され、この 3 月に任期を終える。  また、油津港には大型クルーズ船が寄港するようになり、今年は 12 (すでに 1 船は寄港済み)の大型クルーズ船が寄港する予定である。 ☆ 崎田恭平市長とは  日南市は少しずつ活気を戻しつつあるが、この立役者の1人が崎田恭平市長である。   1979 (昭和 54 )年生まれの 37 歳。 2003 年(平成 15 年) 3 月、九州大学工学部エネルギー科学科卒業。大学時代は、ボランティアサークルに所属し、福岡県大刀洗町にある児童養護施設で活動をしていた。 2004 年(平成 16 年) 4 月、宮崎県庁に入庁。 2012 年(平成 24 年) 8 月、同県庁を退職し、 2013 年(平成 25 年) 4 月 14 日執行の日南市長選挙に無所属で出馬。現職、前宮崎県議ら 2 人の候補者を破り、初当選。  若い市長の誕生とあって市民には期待と不安が入り交じる中、崎田市長は積極的な施策を進めてきた。  前述した『現地在住型の日南市テナントミックスサポートマネージャー』もそうである。  最

【宮崎市民必見!】宮崎市議会内村健久市議、不倫訴訟に「議員活動の妨害」と主張するも不倫を認め、判決は2016年5月18日

【宮崎市民必見!】宮崎市議会内村健久市議、不倫訴訟に「議員活動の妨害」と主張するも不倫を認め... 投稿者 skywalker11 2016年4月21日のTBSテレビ・Nスタ内のコーナー「マルトク特命取材班」で、全国報道。 しかし、放送のあった時間帯は、地元宮崎の系列局であるMRT宮崎放送では「ニュースNEXT」というローカルニュースを放送。 このようなニュースが全国に流れていることだけではなく、内村健久市議が不倫で裁判沙汰になっていること自体を知っている市民・有権者は少ない。 内村市議の不倫相手は宮崎市役所職員の妻。 2年前、その妻が結婚式を挙げる前後から不倫。 夫が妻の様子を不審に思い、LINEを確認したところ、不倫が発覚。LINEには内村市議と妻との生々しいやり取りが。ホテルで密会を繰り返していた。 内村市議は、市議会で子どものLINEの使い方について発言。その市議本人がLINEで・・・ 夫は妻と別居。 内村市議には妻子がいる。 昨年3月、夫は内村市議に対して慰謝料請求を行ったが、代理人からの回答書には「そのような事実はなく内村とは無関係」と不倫関係を否定。 昨年、市議選選挙前であることをいいことに、内村市議は開き直りの態度。また、訴えは議員活動への妨害であるとまで言い出す始末。 再選を果たした内村市議は子ども・子育て支援対策特別委員会に所属している。 慰謝料支払いに応じない内村市議に対し、夫は昨年6月裁判を起こしたが、内村議員側の主張は不当訴訟だとして不倫を否定。 夫は証拠としてLINEの記録を提出すると、内村市議は不倫事実を認めて男性に対しようやく謝罪した。 裁判は2016年5月18日、宮崎地方裁判所で結審する。 それを受けて内村健久市議は、議員辞職を含めて今後の対応を考えるとのこと。