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シリア:MSF、支援各国に公平な国際援助を呼びかけ

国境なき医師団(MSF)日本



 国境なき医師団(MSF)は、1月30日にクウェートで開かれるシリア支援国会議に先駆け、国際的な人道援助が、シリアの反体制派の支配地域にも届くよう後押しする必要があると呼びかけている。

 シリアへの国際援助は、政府と反体制派の支配地域にそれぞれ公平には届いていない。政府の支配地域が援助のほぼ全てを受け取っているのに対し、反体制派の支配地域が受け取っている援助はごくわずかとなっている。

 MSFフランス会長のマリー=ピエール・アリエ医師は「現行の支援体制では、シリア国内の人びとが直面している生活条件の悪化を押しとどめることはできません。クウェート会合の参加国は、シリアに向けられた国際人道援助活動の正当性を認め、その活動に資金・行政・物流面で後押しを行うべきです」と述べている。

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◇一方にしか届かない国際援助


 クウェートで30日に開かれるシリア支援国会議では、シリア内戦の被害者を対象とした人道援助のため総額15億米ドルの支援金を募る予定だ。
 ただ、これまでのところ、援助活動はもっぱら首都ダマスカスを基点に、赤十字国際委員会や国連機関が、政府の公認を受けた唯一の団体であるシリア赤新月社との協力の下で行っているため、反体制派の支配地域に届く国際援助はごく一部に過ぎない。シリアにおける公平な援助の欠如は、内戦の前線の両陣営やシリア人難民の滞在する周辺各国など、より広い範囲でも見られている。

 2012年6月以降、シリアの反体制武装勢力が国内の広い地域を掌握し、支配を固めた。当該地域の正確な人口は把握されていないが、域内の各都市およびダマスカス、アレッポ、イドリブ周辺の人口密集地域にも反体制派の強固な支配が及んでおり、シリア人の少なくとも3人に1人(約700万人)が、政府の支配下にない地域に暮らしていると推察されている。

 反体制派の支配地域の人びとは、外国に移住したシリア人や周辺国からの支援、および互助的なネットワークに支えられながら、民間人を援助しているが、明らかに十分ではない。住居、毛布、燃料、穀物、子ども用の処方薬といった必須物資が不足し、政府軍の標的となっている非公認の医療活動でも、大勢の負傷者や慢性疾患患者のニーズに応じるため、悪戦苦闘が続いている。

 MSFなど反体制派の支配地域で民間人の援助を続ける国際団体はごく少数に限られている。MSFは2011年以来、人目につかないように負傷者を治療しているシリアの複数の医師グループに、医療物資や薬品の提供を続けてきた。MSFの活動もこの半年間で拡大され、国内の北西部に病院3ヵ所を開設、合計900件以上の手術を行ってきたが、シリアの患者たちの膨大な医療ニーズからすれば、そうした援助も十分ではない。

 MSFはその主張の中で「内戦下の人道援助では、援助従事者にも資金援助団体にも柔軟で迅速な対応が求められる。それがかなわなければ、援助というものは、その対象である人びとの苦しみを控えめに証言する以上のものにはなり得ない」としている。

 MSFのシリアでの援助活動は世界中の個人支援者からの寄付のみを資金としており、政府などからの資金提供は一切受けていない。




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