原告 日向製錬所、サンアイ
被告 黒木睦子
裁判長 塚原 聡
裁判官 長嶺志織
裁判官 百瀬 梓
書記官 廣中 久
傍聴人 9人
報道 2社
・第1事件原告 日向製錬所
・第2事件原告 サンアイ
・第2事件原告 金丸
・第1事件、第2事件被告 黒木睦子
【主文】
1 被告は原告日向製錬所に対し、27万5000円及びこれに対する平成26年10月2日から支払い済みまで年5分の割合による金員を支払え。
2 被告は原告サンアイに対し、25万円及びこれに対する平成26年10月3日から支払い済みまで年5分の割合による金員を支払え。
3 被告は原告金丸に対し、20万円及びこれに対する平成26年10月3日から支払い済みまで年5分の割合による金員を支払え。
4 被告は原告日向製錬所に対し、「宮崎県日向市 産業廃棄物のゴミの山が目の前で非常に困ってます」と題するウェブサイト(http://blogjima.blog.fc2.com/)における別紙1発言目録1の「プロフィール部分」「投稿内容」欄記載の各文言を削除せよ。
5 被告は原告日向製錬所に対し、ウェブサイト(https://twitter.com/mutsukuroki)における別紙2発言目録2の「投稿内容」欄記載の各文言を削除せよ。
6 被告は原告サンアイに対し、「宮崎県日向市 産業廃棄物のゴミの山が目の前で非常に困ってます」と題するウェブサイト(http://blogjima.blog.fc2.com/)における別紙3被告ホームページ記事の1項から4項の「投稿内容」欄記載のうち下線部を付した部分を削除せよ。
7 被告は原告金丸に対し、「宮崎県日向市 産業廃棄物のゴミの山が目の前で非常に困ってます」と題するウェブサイト(http://blogjima.blog.fc2.com/)における別紙3被告ホームページ記事の6項の「投稿内容」欄記載の各文言及び同8項の「投稿内容」欄記載の文言のうち下線部を付した部分を削除せよ。
8 被告は第三者に対し、原告日向製錬所が製造するグリーンサンドは有害である、同グリーンサンドにより健康被害が生じているという趣旨の内容を文書、口頭、通信により告知又は流布してはならない。
9 原告日向製錬所、同サンアイ及び同金丸のその余の請求をいずれも棄却する。
10 訴訟費用は、第1事件及び第2事件を通じ、原告日向製錬所に生じた費用の6分の1及び被告に生じた費用の5分の1を原告日向製錬所の負担とし、原告サンアイ及び同金丸に生じた費用の10分の7並びに被告に生じた費用の5分の1を原告サンアイ及び同金丸の負担とし、原告ら及び被告に生じたその余の費用を被告の負担とする。
11 この判決は1項から3項に限り、仮に執行することができる。
(筆者注1)主文1の「平成26年10月2日」とは、訴状送達の日の翌日の日付です。
(筆者注2)主文2、3の「平成26年10月3日」とは、訴状送達の日の翌日の日付です。
【事実及び理由】(30ページ)
すべてをメモする時間がなかったため、重要と思われるポイントを抜粋しました。
○争点
1 本件ブログ投稿及び本件ツイッター投稿による原告らの社会的評価の低下
2 摘示事実の公共性及び目的の公益性
3 摘示事実の真実性及び相当性
4 原告金丸に対する不法行為責任(プライバシー権侵害)の成否
5 原告らの損害額
6 本件ブログ投稿及び本件ツイッター投稿に係る削除請求の可否
7 グリーンサンドの有害性等に関する風説の流布の差止めの可否
○裁判所判断
・原告日向製錬所に係る投稿(ブログ)及び同(ツイッター)、原告サンアイ係る投稿並びに原告金丸に係る投稿(名誉毀損1~3は、原告らの社会的評価というべき信用、名誉を毀損するものであると認められる。
・水の水質検査について
被告計量証明書に係る検査の対象試料が沈殿池から採取した水であるとは認めるに足らず、したがって、同書面の記載内容は信用できないから、上記被告の主張は採用できない。
・グリーンサンドは有害であり、グリーンサンドにより健康被害が生じているとの摘示事実が真実であると認めることはできない。
・被告が原告金丸が暴力団と関わりがあるなどと信じた根拠は、名前の分からない日向市民からその旨の話を聞いたなどというものに過ぎないのであるから、上記の点が事実であるとも、被告がその旨信じたことについて相当な理由があったとも認められない。
・被告は原告らの社会的評価というべき信用、名誉を毀損したことについて、不法行為責任を負う。
・被告は原告金丸に係る投稿(プライバシー)によって原告金丸のプライバシー権を侵害したことについて、不法行為責任を負う。
○主文に対する理由
主文1
・本件ブログ投稿及び本件ツイッター投稿が誰でも自由に閲覧することができ、かつ、拡散性の高いインターネットという媒体に1年6か月弱にわたり掲載され続けていること、断定的表現を用いて繰り返し投稿がされていることなど、本件に表された一切の事情に、後述とおり本件ブログ及び本件ツイッターの投稿文言の削除請求を認めることなどを併せ考慮すると、原告日向製錬所の信用、名誉毀損に係る損害額は25万円を下らないと認めるのが相当である。
本件訴訟の提起、追行のため、原告日向製錬所が原告代理人に支払いを約した弁護士費用のうち2万5000円を本件不法行為と相当因果関係のある損害と認める。
主文2
・インターネットの特徴や本件ブログ投稿の内容等本件に表された一切の事情に、後述のとおり本件ブログの投稿文言の削除を認めることなど併せ考慮すると、原告サンアイの信用毀損に係る損害額は25万円を下らないと認めるのが相当である。
主文3
・インターネットの特徴や本件ブログ投稿の内容等本件に表された一切の事情に、後述のとおり本件ブログの投稿文言の削除を認めることなど併せ考慮すると、原告金丸の名誉毀損、プライバシー権侵害による精神的苦痛に対する慰謝料は20万円を下らないと認めるのが相当である。
主文4~7
・被告による違法な侵害行為を排除するため、原告らの人格権としての名誉権、原告金丸の人格権としてのプライバシー権に基づく妨害排除請求権により、主文4項から7項記載のとおり削除請求を認めるのが相当である。
主文8
・原告日向製錬所及び同サンアイの人格権としての名誉権に基づく妨害予防請求権により、主文8項記載のとおり差止めを認めるのが相当である。
【別紙1】発言目録1(14ページ)
割愛
【別紙2】発言目録2(10ページ)
割愛
【別紙3】被告ホームページ記事(3ページ)
割愛
以上。
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