【PJニュース 2010年12月3日】
12月9日告示・26日投開票の宮崎県知事選に、11月30日、共産党宮崎県委員長・津島忠勝氏(65)、12月2日には宮崎県西 都市の農業・宮本大善氏(39)が立候補を表明。これで、すでに立候補を表明している前副知事の河野俊嗣氏(46)を合わせて、3人が立候補を表明した。
10 月13日に立候補を表明した河野俊嗣氏(46)は、事実上の東国原英夫宮崎県知事の後継者とされているが、政治的な基盤はなく、早期に立候補を表明するこ とで地盤固めを進めてきた。河野氏への選挙協力をいち早く表明したのは、JAグループ宮崎(羽田正治代表)。無所属でしがらみのない選挙を展開していく河 野氏に対して、自民党宮崎県連及び民主党宮崎県連の動きが注目された。
10月22日、自民党県連(中村幸一会長)は選挙対策委員会を開き、河野氏に協力することを全会一致で決めた。民主党の基盤が弱い宮崎にあって、JAグループ宮崎と自民党県連の選挙協力は大きく、その後、県知事選へ立候補を表明する者はなかなか現れなかった。
民主、社民両党県連、連合宮崎など非自民6団体でつくるCNP会議は、独自候補の擁立を断念し、11月27日、民主党県連(川村秀三郎会長)は河野氏を支援することを決めた。社民党県連は、推薦依頼が来ていないことで自主投票を決めた。
河野氏の一人勝ちで、知事選は行われないのではないかという情勢の中、11月29日、共産党宮崎県委員長・津島忠勝氏(65)が立候補を表明した。記者会見 で「東国原英夫知事は県政を変えてほしいという県民の願いに応えきれなかった」と批判し、河野氏と対立する姿勢を打ち出した。
また、12 月2日、宮崎県西都市の農業、宮本大善(だいぜん)氏(39)が無所属での立候補を表明した。宮本氏は大阪府出身で、大阪市の鉄鋼販売会社に勤務後、 2003(平成15)年、母親の実家である西都市に移り、イチゴ農園の経営をしている。記者会見で「農家の立場で県産品のPRに力を入れ、口蹄疫で落ち込 んだ宮崎を元気づけたい」と述べた。
告示を1週間前に控え、ようやく選挙が実施できる状況になってきた。しかし、ここに来てある問題が浮上した。
「しがらみのない選挙協力」を表明してた河野氏陣営が、選挙協力を取り付けた県内10の経済団体でつくる協議会の事務局であるJA宮崎グループに対して、資金提供の相談を持ちかけ、断られていたことが明らかになったのだ。
河野氏側は「資金提供を相談しただけ」と説明しているが、協議会関係者からは「過去に官製談合事件があったにもかかわらず、告示前に資金を自ら求めては信頼をなくす」という声が上がっている。
河野氏は東国原県政を引き継ぎ、しがらみのないクリーンな政治を目指しているだけに、スタートラインに立つ前に転けてしまった形となった。
それにしても、自民党県連と民主党県連の存在感が薄い。自民党県連は、過去の保守分裂選挙の影響が未だに響いているのだろうか。政権与党の民主党県連に至っては、河野氏には勝てないとでも思ったのだろうか。なんとも情けない。
告示まであと1週間。今後も知事選の動きを追うことにする。【了】
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パブリック・ジャーナリスト 大谷 憲史
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