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【PJニュース223】「宮崎県知事選」過去最低の投票率は何を物語るのか=宮崎

【宮崎へおいでよ!】知事室一般公開3




【PJニュース 2010年12月27日】

12月26日、東国原英夫宮崎県知事の任期満了に伴う県知事選の投票が行われ、無所属新人で前副知事の河野俊嗣氏(46)が初当 選した。しかし、投票率は過去最低。東国原知事の登場で県政に目を向ける県民が多くなってきた中で、いったい何が起きたのだろうか。

10月中旬に早々と立候補を決めた河野氏は、着々と基盤を固めてきた。東国原県政への県民の評価は今でも高く、当初から河野氏は東国原知事の後継者とされ、他に立候補する者はいないのではとも噂されていた。

このような状況の中で、あえて東国原県政への批判を掲げて立候補するようなことがあれば、告示前につぶされてしまう。

このような意識が働いたのだろうか。告示1週間前までに、共産党公認で党県委員長の津島忠勝氏(65)、無所属で農業の宮本大善氏(39)が、告示前日には、無所属で元県商工観光労働部長の中馬章一氏(64)が、立候補した。

なんとか選挙ができる状況にはなったが、例年になく盛り上がりに欠ける選挙戦になることは予想しやすかった。宮崎市で行われた「合同個人演説会」は若年層の取り込みを狙ったが、会場には若者は少なく、空席が目立った。

「口蹄疫からの復興」「行財政改革」「雇用・地域経済」「福祉・少子高齢化」「農林水産業」「TPP問題」など県政の課題は山積みで、私たち県民の生活に密接に関わっているものばかりである。

しかし、選挙への関心の低さは、投票率に如実に表われた。

2007(平成19)年1月に行われた前回(第17回)の知事選の投票率は、64.85%。

宮崎県選挙管理委員会が発表する「推定投票率の中間発表」を、ラジオが伝える。午前9時現在で3.17%、午後3時半現在で30.09%、午後6時現在で37.01%、 午後7時30分現在で38.71%。いずれも前回を大きく下回った。

確定投票率は、40.82%。これまで行われた知事選で、最も低い投票率となった。懸念していたことが、現実となってしまった。

過 去には、1951(昭和26)年の第2回知事選で88.37%、近いところでは79(昭和54)年の第9回知事選で83.82%という高い投票率の選挙が 行われた。この4年間の東国原県政は、確実に私たち県民を県政に目を向けさせることとなった。この流れを逆行させてはならないのだが、この過去最低の投票 率は、いったい何を物語るのか。

東国原県政を発展的に継承していくのであれば、さらに県民の評価も高まり、自然に投票率も上がりそうなものだが。

今 年9月に不出馬を決めた東国原知事は「県知事としての限界を感じた。この国のあり方を根本的に変えないと、地方の疲弊や閉塞感は是正できない」と語った。 口蹄疫からの復興を進めようとしている中での発言で、これを「県政の投げ出し」と見る向きも少なくない。また、東国原県政の発展的継承ではなく、東国原知 事がやり残した課題を処理するだけの県政になってしまうかもしれない。

そのような危惧が、県民の投票行動となってしまったのか。告示前から注目された「東国原後継者」で進んできた選挙を嫌ったためなのだろうか。しかし、投票所へ足を運ばなかった県民の声は、どこにも反映されない。

この東国原県政で、県民が県政に関心を持つようになったことは幻ではないと考えたい。単なる東国原知事ブームで終わらせることなく、これからも私たち県民の「県民総力戦」が問われることになるだろう。

また、初当選した河野氏においては、これからつきまとう「東国原後継者」の言葉に惑わされ悩まされることなく、独自の「河野カラー」を打ち出してほしいものである。【了】

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パブリック・ジャーナリスト 大谷 憲史

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