【PJニュース 2010年12月4日】
冬の嵐が吹き荒れた12月3日、中心市街地を歩いた。郊外型の複合ショッピングセンターができ、中心市街地の活性化を図る機運が高 まり、地元商店街の努力もあり、徐々に街に活気が戻りつつある。しかし、その中にあって、忘れ去られた場所がある。久しぶりに足を運んだ。
宮崎市のメインストリートである橘通りと若草通りにはさまれたところに、「文化ストリート商店街」がある。商店街と言うよりも狭い路地に店が連なっていて、昭和30年代は多くの買い物客で賑わっていた。街市場であり、宮崎市民のふれあいの場でもあった。
宮 崎市役所の近くには、戦後に開設された宮崎初の生鮮市場である「ショッピングセンター青空」があり、市民からは「青空市場」として親しまれてきた。60年 代初めには約300平方メートルの広場に40軒以上の店がひしめいていた。その後の新婚旅行ブームで「宮崎の人情市場」として県内外に知られるようになっ た。2003(平成15)年、宮崎市の市制80周年記念事業の一環として、青空市場は宮崎市の姉妹都市であるアメリカのバージニアビーチ市にちなんだ公園 に生まれかわった。
前宮崎市長の津村氏が掲げた中心市街地活性化事業で、橘通りから昭和の面影を残すものが次々と姿を消していった。
そ の中にあって、文化ストリート商店街だけは忘れ去られたかのように、今でもひっそりとある。入り口の「楽しいお買い物 文化ストリート商店街」という看板が悲しげである。商店街の中は明かりはあるが、薄暗い。ほとんどシャッターが下ろされ、何年も営業していない廃墟のよう な建物が続く。
しかし、そのような建物のあちらこちらに、昭和の面影が見え隠れする。なぜか懐かしくさえ思えてくる。この感覚は何だろう。
この日、文化ストリートでは、衣料品店と青果店、八百屋が営業していた。
地 元の商店街でつくる中心市街地活性化のプロジェクトでは、4年前から「文化ストリートアート化計画」に取り組み、若いアーティストたちが活動している。と ても良いことだが、期間限定のイベントであることがもったいない。昭和の臭いのする文化ストリートに、若いアーティストたちの感性がコラボすれば、新たな 価値をもった空間に生まれ変わるのではないだろうか。
前宮崎市長の津村氏のハコモノづくりの最後として、2011年秋の完成目指して宮崎 駅前ビルの建設工事が進められている。また、文化ストリートの近くには、同じく津村氏のハコモノ政策で建てられた「みやざきアートセンター」もある。文化 ストリートの再開発を忘れたわけではないだろうが、街の再開発は、ただ古いモノを壊して新しくすれば良いわけではない。そこにある空間をどううまく活用す るかにあるのではないだろうか。
この昭和の雰囲気を醸し出している文化ストリートの空間をそのまま活用して、街の活性化を図れないかなどと考えながら、文化ストリートをあとにした。【了】
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パブリック・ジャーナリスト 大谷 憲史
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