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【口蹄疫10年】【口蹄疫】県民総力戦での取り組みの中で私たちにできることは






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2010年4月20日に宮崎県で口蹄疫の発生が確認されて10年。
当時、私が市民メディアのPJニュースに提供した記事をご紹介していきます。
書かれて内容は当時のままで、加筆・修正はしておりません。
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大型連休、行楽地は多くの観光客でにぎわっている。しかし、地元の新聞には、各種イベントの中止を伝える記事が・・・。4月20日、宮崎県内に衝撃が走った。宮崎県都農町で、10年ぶりに家畜の伝染病である「口蹄疫(こうていえき)」の疑いのある牛が見つかったのである。その後、70Km以上も離れた県西地域のえびの市でも確認された。また、新たに豚にも口蹄疫が確認され、これまでに13例、計8251頭の牛や豚が殺処分された。宮崎を揺るがしている口蹄疫で、私たちには何かできることはないだろうか。

口蹄疫は、1908(明治41)年に関西、中国地方で発生した。そして、2000(平成12)年3月、92年ぶりに、宮崎市で10頭の牛が感染しているのが確認された。

4月22日、宮崎県は関係課や各地の保健所、家畜保健衛生所などの関連機関に相談窓口を設けた。「牛肉、牛乳などの食品の安全」「牛、豚といった家畜の病気に関すること」「家畜の飼養管理を含む営農や制度資金活用に関すること」などの農家や一般消費者からの問い合わせ、「中小企業の経営、金融相談」にも応じている。

4月30日、宮崎県議会は代表者会議を開き、大型連休中、緊急の事態に備えて2人の議員が県庁で待機することを申し合わせた。

5月1日、東国原英夫宮崎県知事は、口蹄疫の感染疑い例が続発していることを受けて自衛隊に災害派遣要請を行った。要請を受けた自衛隊は、陸上自衛隊都城駐屯地から約100人を川南町へ派遣することを決定した。

このようにして宮崎県や関連機関、宮崎県議会などは、この口蹄疫に立ち向かっているところである。まさしく東国原知事が提唱する「県民総力戦」なのだが、消費者である私たちにも何かできないだろうか。

「口蹄疫にかかった牛肉・豚肉を食べても人体に影響はない」と報道機関は伝えるが、なぜ、人体に影響はないのかを理解している県民は少ない。

口蹄疫のウイルスに感染するのは牛、豚などの蹄が二つに割れている動物(偶蹄目)に限られている。不思議なことに奇数の蹄を持っている馬やロバなどの奇蹄目(ウマ目)の動物には感染しない。もちろん、蹄のない人間には感染することはない。

偶蹄目の動物がこのウイルスを口または鼻から取り入れても、症状が現れるのは口の粘膜や蹄   の割れ目などの柔らかい皮膚に限られる。そして数日後には、多数の小さい水泡として現れる。時としてこの水泡は大きくなっていき、ただれてしまう。牛は痛がって水や餌をとらなくなり、肉牛は体重が増えなくなる。乳牛の場合は、牛乳の生産量が減ってしまう。そのために畜産農家の生産が急減し、経済的に多大の損失を生むこととなる。

「太陽とみどりの国・みやざき」には、豊かな自然にはぐくまれた農畜産物、山の幸、海の幸がたくさんある。私たちが食べるすべてのものは、自然から生まれた「いのちの恵み」でもある。生産者のみなさんのおかげで、私たちはおいしいものを食べることができる。「いただきます」という言葉が、自然と口から出てくる。

自然の営みの中では、口蹄疫のような病気が発生することもあるだろう。「牛肉を買うのはちょっと控えます」と、地元のテレビ局が口蹄疫を心配する市民の声を伝えていたが、生産者や行政、関連機関のみなさんが必死で動いている中、このようなちょっとしたことが風評被害につながることを報道機関は肝に銘じて欲しい。

私たちは、口蹄疫に対する正しい知識を持つとともに、行政や関連機関から出される情報をきちんと把握しておくことは当然のことだが、人の噂やデマに踊らされることなく、これまで通り、自然の恵みに感謝し、宮崎の「いのちの恵み」をおいしくいただけば良いのである。

今日の夕食は、父が作った豚肉の野菜炒めを食べた。とてもおいしかった。【了】

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