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2010年4月20日に宮崎県で口蹄疫の発生が確認されて10年。
当時、私が市民メディアのPJニュースに提供した記事をご紹介していきます。
書かれて内容は当時のままで、加筆・修正はしておりません。
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中心市街地の近くに口蹄疫バスタオルプロジェクト(バスプロ)の活動拠点があるため、6月19日はやまと新聞の号外を、20日には消毒マットを配る活動を行った。
■やまと新聞号外を配る
宮崎県児湯郡川南町の酪農家・弥永睦雄さんのもとに、やまと新聞の号外3000部が届いた。しかし、弥永さんはこの号外を配ることはできない。そこで、ブログ「川南町のムッチー牧場だよ~ん。」で、号外配布の呼びかけが行われた。
5月6日付け記事「「口蹄疫」政府よ民主党よ、畜産・酪農農家の悲痛な叫びを聞け!=宮崎」で、弥永さんのことを取り上げたことから、今回、弥永さんの呼びかけにこたえる形で、やまと新聞の号外配布のお手伝いをさせていただいた。
バスプロが宮崎市の中心市街地に活動拠点を置いていることもあり、6月19日午後、私を含めたバスプロメンバー4人で参加した。弥永さんの呼びかけで集まった個人のみなさん、約20名で手分けして、街行く人にやまと新聞の号外を配布した。
やまと新聞という名前に、あまりなじみがない市民も多い。
やまと新聞社は保守系新聞社として1886(明治19)年に創刊され、国民的人気のサザエさんを連載していた。当時のやまと新聞は「帝都日日新聞」という名で日刊であった。皇室を敬い、美しい日本の伝統と歴史を伝えていくことを使命として報道していたが、第2次世界大戦後の新聞統制で、1944(昭和19)年に休刊した。
しかし、保守報道の火を絶やすわけにはいかないと、数名の社員が活動範囲を国会内のみとして、活動を続けてきた。「代議士に直接配布できる数少ない新聞」としての存在意義を高め、2009(平成21年)、その活動を国会外に向かっても行うことが許され、ホームページの開設や外部への取材、新聞の配布などを始めた。
今回の号外は、「口蹄疫の真実」を多くの人に伝えようと、冒頭で紹介した弥永さんの文章とつぶらな瞳の牛の写真が大きく1面に掲載されている。そして、「『口蹄疫被害』28万頭殺処分」の文字が。
午後2時からの1時間、街頭でこの号外を配布したが、実に様々な年齢層の方々が手にしてくださった。歩きながら紙面を広がる方も少なくはなかった。「一緒にがんばっていきましょう!」と声をかける高校生も。
口蹄疫発生の地・宮崎にあって、この号外を配布する意味は大きい。中には、畜産農家のために、一般市民が犠牲になることはないとの声も聞かれるが、すでに農業だけではなく、他産業や観光への影響も出始め、ひいては私たちの生活にも関係するのである。決して他人事ではない。
弥永さんの了解をいただき、号外の一部を翌日にも配ることにした。
■消毒マットを配る
中心市街地の商店主などで組織するDOまんなかモールで、第3日曜日に様々なイベントを展開している「MACHILU(街る)」事務局の呼びかけで、都城市のちんどん屋「花ふぶき一座」さんと一緒に、口蹄疫被害義援金のお願いをすることになった。
6月17日、東国原英夫宮崎県知事は、「県民の皆さまへ~口蹄疫まん延防止のための消毒の徹底について~」という緊急アピールを行った。
このことを受けて、バスプロで加工している消毒用マットの代用品を街行く人に配ることで、消毒への啓発活動につながるのではないかと考え、「MACHILU(街る)」事務局に伝えて準備を進めてきた。
バスプロはボランティア団体ではなく、個人ボランティアの集合体である。私も代表ではなく、単なる世話役。当日、どのくらいの人が集まるか不安で、ツイッターで呼びかけた。
しかし、取りこし苦労であり、6月20日午後、バスプロ本部には20人が集まった。
出発地点である若草通りアーケードに移動した。このような活動にはじめて参加した方も多かったが、先頭を行く花ふぶき一座さんのリードで、次第に呼びかけの声も大きくなっていった。
街行く人に渡すものは、すべてビニル袋に詰めた。ボランティアさんが縫製した消毒用マット代用品2枚、酢を使った消毒液の作り方が書かれたチラシ、それと、やまと新聞の号外。
花ふぶき一座さんのすぐ後ろには、手作りのプラカードを持つ高校生。若い人の参加が目だった。特に高校生は、この夏に大きなイベントを控えている。
「第34回全国高等学校総合文化祭」が、8月1日から5日までの期間、宮崎市を中心に7市1町で行われる。1年以上前から準備を進めてきただけに、高校生たちも消毒の徹底を呼びかけた。
時折激しい雨が降るあいにくの天気であったが、雨の影響を受けないアーケード内を中心に街行く人に呼びかけを行った。用意した200セット(消毒マット400枚)のうち、133セットを手渡すことができた。
これまでバスプロは、タオルの仕分け・縫製作業や現地対策本部への運搬作業などの後方支援を行ってきた。今回、前面に立って、街行く人に消毒を呼びかける啓発活動を行ったことで、その大切さを痛感した。
「MACHILU(街る)」事務局によるイベントは来月も行われるが、そのときまでには「終息宣言」が出され、今回とは違うイベントができることを願いたい。【了】
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