スキップしてメイン コンテンツに移動

ACTA(偽造品の取引の防止に関する協定)全文

Anti ACTA!





偽造品の取引の防止に関する協定


この協定の締約国は、知的財産権に関する効果的な執行が経済成長を全ての産業において、かつ、世界的規模で持続させるために不可欠であることに留意し、更に、偽造品及び違法に複製した物品並びに知的財産権を侵害するものを頒布するサービスの拡散が正当な貿易及び世界経済の持続的な発展を損なわせ、 権利者及び正当な事業に対して金銭上の著しい損失をもたらし、並びに場合により組織犯罪に収入源を提供することその他の危険を公衆にもたらすことに留意 し、国際協力の強化及びより効果的な国際的な執行を通じてそのような拡散を阻止することを希望し、各締約国の法律上の制度及び慣行の相違を考慮した知的財産権の行使のための効果的かつ適当な手段であって貿易関連知的所有権協定を補完するものを提供することを意図し、知的財産権に関する執行のための措置及び手続自体が正当な貿易の障害とならないことを確保することを希望し、知的財産権の侵害(デジタル環境において生ずる侵害を含む。)の問題に対処すること、特に、著作権又は関連する権利については、関係する権利者、サービス・プロバイダ及び利用者の権利及び利益を均衡させるような態様で当該問題に対処することを希望し、デジタル環境における関連する侵害に対処するため、サービス・プロバイダと権利者との間の協力を促進することを希望し、関係国際機関において実施される国際的な執行に係る業務及び国際協力と相互に補完的な態様でこの協定が運用されることを希望し、世界貿易機関の第四回閣僚会議において二千一年十一月十四日に採択された知的所有権の貿易関連の側面に関する協定及び公衆の健康に関するドーハ宣言に定める原則を認めて、ここに、次のとおり協定する。


第一章 冒頭の規定及び一般的定義
第一節 冒頭の規定
第一条 他の協定との関係
この協定のいかなる規定も、既存の協定(貿易関連知的所有権協定を含む。)に基づく締約国の義務であって他の締約国に対して負うものを免れさせるものではない。
第二条 義務の性質及び範囲
1 各締約国は、この協定を実施する。締約国は、この協定に反しないことを条件として、この協定において要求される知的財産権に関する執行よりも広 範な執行を自国の法令において実施することができる。各締約国は、自国の法律上の制度及び慣行の範囲内でこの協定を実施するための適当な方法を決定するこ とができる。
2 この協定のいかなる規定も、知的財産権に関する執行と一般的な法の執行との間の資源の配分に関して何ら義務を生じさせるものではない。
3 貿易関連知的所有権協定第一部、特に第七条及び第八条に定める目的及び原則は、この協定について準用する。
第三条 知的財産権の取得可能性及び範囲に関する基準との関係
1 この協定は、知的財産権の取得可能性、取得、範囲及び維持を規律する締約国の法令の適用を妨げるものではない。
2 この協定は、知的財産についての権利が締約国の法令によって保護されていない場合において当該締約国が措置をとる義務を生じさせるものではない。
第四条 プライバシー及び情報の開示
1 この協定のいかなる規定も、締約国に対し、次の情報を開示することを要求するものではない。
⒜ その開示が自国の法令(プライバシーについての権利を保護する法令を含む。)又は自国が締約国である国際約束に反することとなるような情報
⒝ その開示が法令の実施を妨げる等公共の利益に反することとなるような秘密の情報
⒞ その開示が公私の特定の企業の正当な商業上の利益を害することとなるような秘密の情報
2 締約国がこの協定に従って書面による情報を提供する場合には、情報を受領する締約国は、情報を提供した締約国の事前の同意がある場合を除くほか、自国の法令及び慣行に従い、当該情報が提供された目的以外の目的で当該情報を開示し、又は使用することを差し控える。
第二節 一般的定義
第五条 一般的定義
この協定の適用上、別段の定めがある場合を除くほか、
⒜ 「ACTA」とは、偽造品の取引の防止に関する協定をいう。
⒝ 「委員会」とは、第五章(制度上の措置)の規定に基づいて設置されるACTA委員会をいう。
⒞ 「権限のある当局」には、締約国の法令上の司法当局、行政当局又は法執行当局であって適当なものを含む。
⒟ 「不正商標商品」とは、ある商品について有効に登録されている商標と同一であり、又はその基本的側面において当該商標と識別することができない 商標を許諾なしに付した、当該商品と同一の商品(包装を含む。)であって、次章(知的財産権に関する執行のための法的枠組み)に定める手続が適用される国 の法令上、商標権者の権利を侵害するものをいう。
⒠ 「国」とは、世界貿易機関協定の注釈に規定する「国」と同一の意味を有するものと了解する。
⒡ 「保税運送」とは、物品を一の税関官署から他の税関官署まで税関管理の下に運送する税関手続をいう。
⒢ 「日」とは、暦日をいう。
⒣ 「知的財産」とは、貿易関連知的所有権協定第二部第一節から第七節までの規定の対象となる全ての種類の知的財産をいう。
⒤ 「通過物品」とは、「保税運送」又は「積替え」の下にある物品をいう。
⒥ 「者」とは、自然人又は法人をいう。
⒦ 「著作権侵害物品」とは、ある国において、権利者又は権利者から正当に許諾を受けた者の承諾を得ないである物品から直接又は間接に作成された複製物であって、当該物品の複製物の作成が、次章(知的財産権に関する執行のための法的枠組み)に定める手続が適用される国において行われたとしたならば、当該国の法令上、著作権又は関連する権利の侵害となったであろうものをいう。
⒧ 「権利者」には、知的財産についての権利を主張する法的地位を有する連合及び団体を含む。
⒨ 次章(知的財産権に関する執行のための法的枠組み)第三節(国境措置)の規定の適用上、「領域」とは、締約国の関税領域及び全ての自由地帯(注)をいう。
注 締約国は、「自由地帯」とは、締約国の領域の一部であって、そこに持ち込まれた物品が輸入に対する課税に関する限り関税領域の外にあると一般的にみなされるものをいうことを確認する。
⒩ 「積替え」とは、輸入及び輸出の双方を扱う一の税関官署の区域内で、税関管理の下に輸入の運送手段から輸出の運送手段に物品を移し替える税関手続をいう。
⒪ 「貿易関連知的所有権協定」とは、世界貿易機関協定附属書一C知的所有権の貿易関連の側面に関する協定をいう。
⒫ 「WTO」とは、世界貿易機関をいう。
⒬ 「世界貿易機関協定」とは、千九百九十四年四月十五日に作成された世界貿易機関を設立するマラケシュ協定をいう。

第二章 知的財産権に関する執行のための法的枠組み
第一節 一般的義務

第六条 執行に関する一般的義務
1 各締約国は、執行の手続によりこの協定が対象とする知的財産権の侵害行為に対し効果的な措置(侵害を防止するための迅速な救済措置及び追加の侵 害を抑止するための救済措置を含む。)がとられることを可能にするため、そのような執行の手続を自国の法令において確保する。この執行の手続は、正当な貿 易の新たな障害となることを回避し、かつ、濫用に対する保障措置を提供するような態様で適用する。
2 この章の 規定を実施するために採用され、維持され、又は適用される手続は、公正かつ公平なものとし、及びその対象となる全ての参加者の権利が適切に保護されるもの とする。この手続は、不必要に複雑な又は費用を要するものであってはならず、また、不合理な期限を付され、又は不当な遅延を伴うものであってはならない。
3 この章の規定の実施に当たり、各締約国は、侵害の重大さ、第三者の利益並びに適用可能な措置、救済措置及び刑罰の間の均衡の必要性を考慮する。
4 この章のいかなる規定も、締約国に対し、公務員が公務の遂行において行った行為について当該公務員に責任を負わせることを要求するものと解してはならない。
第二節 民事上の執行(注)
注 締約国は、特許及び開示されていない情報の保護についてはこの節の規定の適用範囲から除外することができる。
第七条 民事上の手続の利用可能性
1 各締約国は、この節に規定する知的財産権の行使に関し、民事上の司法手続を権利者に提供する。
2 各締約国は、民事上の救済措置が本案についての行政上の手続の結果として命ぜられる場合には、その手続がこの節に定める原則と実質的に同等の原則に従うことについて定める。
第八条 差止命令
1 各締約国は、知的財産権の行使に関する民事上の司法手続において、自国の司法当局が当事者に対し知的財産権を侵害しないことを命ずる権限を有す ること、特に、当該当事者又は、適当な場合には、関係司法当局が管轄権を行使する第三者に対し、知的財産権を侵害する物品の流通経路への流入を防止するた め命令を発する権限を有することについて定める。
2 締約国は、政府又は政府の許諾を受けた第三者が権利者の許諾を得ないで行う使用について、当該使用を明示的に定める貿易関連知的所有権協定第 二部の規定に従うことを条件として、この節の他の規定にかかわらず、当該使用に対する救済措置を報酬の支払に限定することができる。当該使用であってその ような救済措置の限定の対象とならないものについては、この節に定める救済措置が適用され、又は、当該救済措置が締約国の法令に抵触する場合には、宣言的 判決及び適当な補償が行われるものとする。
第九条 損害賠償
1 各締約国は、知的財産権の行使に関する民事上の司法手続において、侵害活動を行っていることを知っていたか又は知ることができる合理的な理由を 有していた侵害者に対し、自国の司法当局が侵害の結果として権利者が被った損害を補償するために適当な損害賠償を当該権利者に支払うよう命ずる権限を有す ることについて定める。知的財産権の侵害に対する損害賠償の額を決定するに当たり、締約国の司法当局は、特に、権利者が提示する合理的な価値の評価(逸失 利益、侵害の対象となった物品若しくはサービスの価値であって市場価格によって評価されるもの又は希望小売価格を含むことができる。)を考慮する権限を有 する。
2 各締約国は、少なくとも著作権又は関連する権利の侵害及び商標の不正使用について、自国の司法当局が民事上の司法手続において侵害者に対しその侵害行為から生じた自己の利益を権利者に支払うよう命ずる権限を有することについて定める。締約国は、当該利益の額がに規定する損害賠償の額であると推定することができる。
3 各締約国は、少なくとも著作物、レコード及び実演を保護する著作権又は関連する権利の侵害並びに商標の不正使用について、次の一又は二以上の事項を定める制度を設け、又は維持する。
⒜ 法定の損害賠償
⒝ 侵害によって引き起こされた損害について権利者を補償するために十分な損害賠償の額を決定するための推定(注)
注 この推定には、損害賠償の額が次のいずれかの額であるとの推定を含めることができる。
(ⅰ) 権利者の知的財産権を侵害している物品であって実際に第三者に譲渡されたものの数量に、侵害行為がなかった場合に権利者が販売したであろう物品の単位当たりの利益の額を乗じた額
(ⅱ) 合理的な使用料の額
(ⅲ) 侵害者が知的財産権を使用するための許諾を要請した場合に支払ったであろう使用料又は手数料の額を必須の要素とする諸要素に基づいて算定される額
⒞ 少なくとも著作権については、追加の損害賠償
4 締約国は、3⒜に定める救済措置又は3⒝に規定する推定について定める場合には、自国の司法当局又は権利者が当該救済措置又は当該推定を及びに定める救済措置に代わるものとして選択する権利を有することを確保する。
5 各締約国は、自国の司法当局が、少なくとも著作権又は関連する権利及び商標の侵害について民事上の司法手続が終了した時に、適当な場合には、敗 訴の当事者が勝訴の当事者に対し訴訟及び適当な弁護士の費用又は当該締約国の法令に定める他の費用を支払うよう命ずる権限を有することについて定める。
第十条 他の救済措置
1 各締約国は、少なくとも著作権侵害物品及び不正商標商品について、自国の司法当局が民事上の司法手続において権利者の申立てにより、例外的な場合を除き、いかなる補償もなしに廃棄することを命ずる権限を有することについて定める。
2 各締約国は、更に、自国の司法当局が、の著作権侵害物品又は不正商標商品の製造又は生産のために主として使用される材料及び道具を、追加の侵害の危険を最小とするような態様で、不当に遅延することなく、かつ、いかなる補償もなしに廃棄し、又は流通経路から排除することを命ずる権限を有することについて定める。
3 締約国は、この条に規定する救済措置が侵害者の費用負担によって実施されることについて定めることができる。
第十一条 侵害に関する情報
各締約国は、特権、情報源の秘密の保護又は個人情報の処理に関する自国の法令の適用を妨げることなく、知的財産権の行使に関する民事上の司法手続に おいて、自国の司法当局が、権利者の正当な要請に基づき、侵害者又は侵害したと申し立てられた者に対し、自国の関係法令に規定する関連情報であって当該侵 害者又は当該侵害したと申し立てられた者が有し、又は管理するものを少なくとも証拠を収集する目的のために当該権利者又は当該司法当局に提供するよう命ず る権限を有することについて定める。このような情報には、侵害又は申し立てられた侵害における何らかの局面に関与した者に関する情報及び知的財産権を侵害 する物品若しくはサービス又は侵害していると申し立てられた物品若しくはサービスの生産手段又は流通経路に関する情報(これらの物品又はサービスの生産又 は流通に関与したと申し立てられた第三者及び流通経路を特定する情報を含む。)を含めることができる。
第十二条 暫定措置
1 各締約国は、自国の司法当局が次のことを行う権限を有することについて定める。
⒜ 当事者又は、適当な場合には、関係司法当局が管轄権を行使する第三者に対し、知的財産権の侵害の発生を防止すること、特に、知的財産権を侵害する物品の流通経路への流入を防止することを目的として迅速かつ効果的な暫定措置をとることを命ずること。
⒝ 申し立てられた侵害に関連する証拠を保全することを目的として迅速かつ効果的な暫定措置をとることを命ずること。
2 各締約国は、自国の司法当局が、適当な場合、特に、遅延により権利者に回復できない損害が生ずるおそれがある場合又は証拠が破棄される明らかな 危険がある場合には、他方の当事者に意見を述べる機会を与えることなく、暫定措置をとる権限を有することについて定める。各締約国は、他方の当事者に意見 を述べる機会を与えずにとられる手続において、自国の司法当局に対し、暫定措置の申立てに速やかに対応し、不当に遅延することなく決定を行う権限を与え る。
3 各締約国は、少なく とも著作権又は関連する権利の侵害及び商標の不正使用について、自国の司法当局が民事上の司法手続において、侵害の疑いのある物品、侵害行為に関連する材 料及び道具並びに少なくとも商標の不正使用については侵害に関連する証拠書類の原本若しくは写しを差押えその他の方法で管理の下に置くことを命ずる権限を 有することについて定める。
4 各締約国は、自国の当局が、暫定措置に関し、申立人の権利が侵害されていること又はその侵害が生ずる差し迫ったおそれがあることを十分な確実性 をもって自ら確認するため、申立人に対し合理的に入手可能な証拠を提出するよう要求し、並びに被申立人を保護し、及び濫用を防止するため、申立人に対し十 分な担保又は同等の保証を提供することを命ずる権限を有することについて定める。そのような担保又は同等の保証は、暫定措置のための手続の利用を不当に妨 げるものであってはならない。
5 暫定措置が取り消された場合、暫定措置が申立人の作為若しくは不作為によって失効した場合又は知的財産権の侵害がなかったことが後に判明した場 合には、司法当局は、被申立人の申立てに基づき、申立人に対し、当該暫定措置によって生じた損害に対する適当な賠償を支払うよう命ずる権限を有する。
第三節 国境措置注1注2
注1 締約国は、関税同盟を構成する他の締約国との国境を越える物品の移動に関する全ての管理を実質的に廃止している場合には、その国境においてこの節の規定を適用することを要求されない。
注2 権利者によって又はその承諾を得て他の国の市場に提供された物品については、この節に定める手続を適用する義務は生じないと了解する。
第十三条 国境措置の範囲(注)
締約国は、国境における知的財産権に関する効果的な執行について、知的財産権の保護に関する自国の国内制度に従い、かつ、貿易関連知的所有権協定に定める要件の適用を妨げることなく定めるに当たり、知的財産権の間で不当な差別をすることなく、かつ、正当な貿易の新たな障害となることを回避するような態様で行うべきである。
注 締約国は、特許及び開示されていない情報の保護がこの節の規定の適用を受けないことに同意する。
第十四条 小型貨物及び手荷物
1 各締約国は、小型貨物で送られる商業的な性質の物品をこの節の規定の適用対象に含める。
2 締約国は、旅行者の手荷物に含まれる少量の非商業的な性質の物品については、この節の規定の適用から除外することができる。
第十五条 権利者からの情報の提供
各締約国は、この節に定める国境措置をとるに当たり、自国の権限のある当局が権利者に対し当該当局を支援するため関連情報を提供するよう要請することを許可する。締約国は、また、権利者が自国の権限のある当局に対して関連情報を提供することを認めることができる。
第十六条 国境措置
1 各締約国は、輸入貨物及び輸出貨物に関し、次の手続を採用し、又は維持する。
⒜ 自国の税関当局が侵害の疑いのある物品の解放を停止するために職権により行動することができる手続
⒝ 適当な場合には、権利者が自国の権限のある当局に対し侵害の疑いのある物品の解放を停止するよう申し立てることができる手続
2 締約国は、侵害の疑いのある通過物品について又は物品が税関管理の下にある他の状況において、次の手続を採用し、又は維持することができる。
⒜ 自国の税関当局が侵害の疑いのある物品の解放を停止し、又は当該物品を留置するために職権により行動することができる手続
⒝ 適当な場合には、権利者が自国の権限のある当局に対し侵害の疑いのある物品の解放を停止し、又は当該物品を留置するよう申し立てることができる手続
第十七条 権利者による申立て
1 各締約国は、自国の権限のある当局が、前条(国境措置)1⒝及び2⒝に 定める手続をとるよう申し立てる権利者に対し、当該手続を提供する締約国の法令上、当該権利者の知的財産権の侵害の事実があることを当該当局が一応確認す るに足りる適切な証拠を提出すること及び当該当局による侵害の疑いのある物品の合理的な識別のため当該権利者が知っているものと合理的に予想し得る十分な 情報を提供することを要求することについて定める。十分な情報の提供の要求は、前条(国境措置)1⒝及び2⒝に定める手続の利用を不当に妨げるものであってはならない。
2 各締約国は、自国の領域内で税関管理の下にある侵害の疑いのある物品の解放を停止し、又は当該物品を留置するための申立てについて定める(注)。 締約国は、当該申立てが二回以上の輸送に適用されることを定めることができる。締約国は、権利者の要請に基づき、侵害の疑いのある物品の解放を停止し、又 は当該物品を留置するための申立てを税関管理の下にある選定された出入国地点に適用することができることについて定めることができる。
注 申立てについて定める義務は、前条(国境措置)1⒝及び2⒝に定める手続を提供する義務に従う。
3 各締約国は、自国の権限のある当局が申立てを受理したか否かを合理的な期間内に申立人に通知することを確保する。自国の権限のある当局が申立てを受理したときは、当該当局は、当該申立てが有効である期間についても申立人に通知する。
4 締約国は、申立人が前条(国境措置)1⒝及び2⒝に定める手続を濫用した場合又は妥当な理由がある場合には、自国の権限のある当局が申立てを却下し、停止し、又は失効させる権限を有することについて定めることができる。
第十八条 担保又は同等の保証
各締約国は、自国の権限のある当局が、第十六条(国境措置)1⒝及び2⒝に 定める手続により申し立てる権利者に対し、被申立人及び当該当局を保護し、並びに濫用を防止するために十分な合理的な担保又は同等の保証を提供するよう要 求する権限を有することについて定める。各締約国は、担保又は同等の保証が手続の利用を不当に妨げるものであってはならないことについて定める。締約国 は、担保については、物品が知的財産権を侵害していないと権限のある当局が認定する場合には、当該物品の解放が停止され、又は当該物品が留置されたことに よって生ずる損失又は損害を被申立人に与えないようにする支払の保証によることができることについて定めることができる。締約国は、例外的な場合又は司法 上の命令に従う場合にのみ、被申立人が支払の保証その他の担保を提供することによって侵害の疑いのある物品を取得することを許可することができる。
第十九条 侵害についての認定
各締約国は、第十六条(国境措置)に定める手続の開始後合理的な期間内に自国の権限のある当局が侵害の疑いのある物品によって知的財産権が侵害されているか否かを認定することができる手続を採用し、又は維持する。
第二十条 救済措置
1 各締約国は、自国の権限のある当局が、前条(侵害についての認定)に 規定する物品が知的財産権を侵害しているとの認定を行った後当該物品の廃棄を命ずる権限を有することについて定める。当該物品が廃棄されない場合には、各 締約国は、例外的な場合を除くほか、権利者に損害を与えないような態様で当該物品を流通経路から排除することを確保する。
2 不正商標商品については、例外的な場合を除くほか、違法に付された商標の単なる除去により流通経路への商品の流入を認めることはできない。
3 締約国は、自国の権限のある当局が、前条(侵害についての認定)に規定する物品が知的財産権を侵害しているとの認定を行った後行政罰を科する権限を有することについて定めることができる。
第二十一条 手数料
各締約国は、この節に定める手続に関連して自国の権限のある当局が決定する申立てに係る手数料、保管料又は廃棄費用が、当該手続の利用を不当に妨げる目的で利用されてはならないことについて定める。
第二十二条 情報の開示
プライバシー又は情報の秘密に関する締約国の法令の適用を妨げることなく、
⒜ 締約国は、自国の権限のある当局が権利者に対し、侵害物品の発見に資するため、特定の物品の輸送に関する情報(当該物品の品名及び数量を含む。)を提供する権限を与えることができる。
⒝ 締約国は、自国の権限のある当局が権利者に対し、第十九条(侵害についての認定)に規定する認定に資するため、物品に関する情報(当該物品の品名及び数量、荷送人、輸入者、輸出者又は荷受人の名称及び住所並びに、判明している場合には、当該物品の原産国並びに当該物品の製造者の名称及び住所を含む。)を提供する権限を与えることができる。
⒞ 締約国は、に規定する権限を自国の権限のある当局に付与していない場合において、少なくとも輸入物品について、当該当局が侵害の疑いのある物品を差し押さえ、又は第十九条(侵害についての認定)に規定する当該物品が知的財産権を侵害しているとの認定を行ったときは、当該当局がその差押え又は認定の後三十日(注)以内に権利者に対し当該物品に関する情報(当該物品の品名及び数量、荷送人、輸入者、輸出者又は荷受人の名称及び住所並びに、判明している場合には、当該物品の原産国並びに当該物品の製造者の名称及び住所を含む。)を提供する権限を与える。
注 この条の規定の適用上、「日」とは、執務日をいう。
第四節 刑事上の執行
第二十三条 刑事犯罪
1 各締約国は、刑事上の手続及び刑罰であって、少なくとも故意により商業的規模で行われる商標の不正使用並びに著作権及び関連する権利を侵害する複製について適用されるものを定める(注)。この節の規定の適用上、商業的規模で行われる行為には、少なくとも直接又は間接に経済上又は商業上の利益を得るための商業活動として行われる行為を含む。
注 各締約国は、故意による不正商標商品又は著作権侵害物品の商業的規模の輸入及び輸出をこの条の規定に基づく刑罰の対象となる不法な活動として取り扱う。締約国は、不正商標商品及び著作権侵害物品の商業的規模の頒布、販売及び販売の申出を刑罰の対象となる不法な活動として定めることにより、これらの輸入及び輸出に関する自国の義務を履行することができる。
2 各締約国は、次の⒜及び⒝の要件を満たすラベル又は包装の故意による輸入(注1)及び国内における使用であって、商業上かつ商業的規模のものについて適用される刑事上の手続及び刑罰を定める(注2)
注1 締約国は、ラベル又は包装の輸入に関する自国の義務を頒布に関する措置を通じて履行することができる。
注2 締約国は、商標に係る犯罪の未遂について適用される刑事上の手続及び刑罰を定めることにより、このの規定に基づく自国の義務を履行することができる。
⒜ 自国の領域において登録されている商標と同一の標章又は当該商標と識別することができない標章が、許諾なしに当該ラベル又は当該包装に付されていること。
⒝ 当該商標が登録されている物品と同一の物品について又は当該商標が登録されているサービスと同一のサービスに関連して商業上使用するためのものであること。
3 締約国は、公衆に一般的に公開されている上映施設において上映中の映画の著作物を許諾なしに複製することについて、適当な場合には、刑事上の手続及び刑罰を定めることができる。
4 締約国は、この条に定める犯罪であって自国が刑事上の手続及び刑罰を定めるものに関し、ほう助及び教唆に対する刑事上の責任を自国の法令に基づいて追及することができることを確保する。
5 各締約国は、自国の法的原則に従い、この条に定める犯罪であって自国が刑事上の手続及び刑罰を定めるものについて法人の責任(刑事上の責任とすることができる。)を確立するため必要な措置をとる。この法人の責任は、刑事犯罪を行った自然人の刑事上の責任に影響を及ぼすものではない。
第二十四条 刑罰
各締約国は、前条(刑事犯罪)及びに定める犯罪に関し、拘禁刑及び将来の侵害行為を抑止するため十分に高額の罰金(注)であって、同様の重大性を有する犯罪に適用される刑罰の程度に適合したものを含む刑罰を定める。
注 拘禁刑と罰金とを併せて科することができることについて定めることを締約国に義務付けるものではないと了解する。
第二十五条 差押え、没収及び廃棄
1 締約国は、第二十三条(刑事犯罪)からま でに定める犯罪であって自国が刑事上の手続及び刑罰を定めるものに関し、自国の権限のある当局が、不正商標商品又は著作権侵害物品であるとの疑いがある 物、申し立てられた犯罪のために使用された関連する材料及び道具、申し立てられた犯罪に関連する証拠書類並びに申し立てられた侵害活動から生じ、又はその 活動を通じて直接若しくは間接に取得された資産の差押えを命ずる権限を有することについて定める。
2 締約国は、差押えの対象となる物件の特定をに定める命令を発するための前提とする場合には、差押えを目的として当該物件を特定するために必要である以上に詳細に当該物件について説明することを要求してはならない。
3 締約国は、第二十三条(刑事犯罪)からま でに定める犯罪であって自国が刑事上の手続及び刑罰を定めるものに関し、自国の権限のある当局が全ての不正商標商品及び著作権侵害物品の没収又は廃棄を命 ずる権限を有することについて定める。不正商標商品及び著作権侵害物品が廃棄されない場合には、当該当局は、例外的な場合を除くほか、それらを権利者に損 害を与えないような態様で流通経路から排除することを確保する。各締約国は、不正商標商品及び著作権侵害物品の没収又は廃棄が侵害者に対するいかなる補償 もなく行われることを確保する。
4 締約国は、第二十三条(刑事犯罪)からま でに定める犯罪であって自国が刑事上の手続及び刑罰を定めるものに関し、自国の権限のある当局が、不正商標商品又は著作権侵害物品の生産のため主として使 用された材料及び道具並びに、少なくとも重大な犯罪については、侵害活動から生じ、又はその活動を通じて直接若しくは間接に取得された資産の没収又は廃棄 を命ずる権限を有することについて定める。各締約国は、当該材料、当該道具又は当該資産の没収又は廃棄が侵害者に対するいかなる補償もなく行われることを 確保する。
5 締約国は、第二十三条(刑事犯罪)からまでに定める犯罪であって自国が刑事上の手続及び刑罰を定めるものに関し、自国の司法当局が次のことを命ずる権限を有することについて定めることができる。
⒜ 申し立てられた侵害活動から生じ、又はその活動を通じて直接若しくは間接に取得された資産の価値に相当する価値を有する資産を差し押さえること。
⒝ 侵害活動から生じ、又はその活動を通じて直接若しくは間接に取得された資産の価値に相当する価値を有する資産を没収すること。
第二十六条 職権による刑事上の執行
各締約国は、第二十三条(刑事犯罪)からまでに定める刑事犯罪であって自国が刑事上の手続及び刑罰を定めるものに関し、適当な場合には、自国の権限のある当局が捜査を開始し、又は法的措置をとるために職権により行動することができることについて定める。
第五節 デジタル環境における知的財産権に関する執行
第二十七条 デジタル環境における執行
1 各締約国は、第二節(民事上の執行)及び前節(刑事上の執行)に定める範囲内の執行の手続によりデジタル環境において生ずる知的財産権の侵害行為に対し効果的な措置(侵害を防止するための迅速な救済措置及び追加の侵害を抑止するための救済措置を含む。)がとられることを可能にするため、当該手続を自国の法令において確保する。
2 の 規定を適用するほか、各締約国の執行の手続は、デジタル通信網における著作権又は関連する権利の侵害(侵害の目的のため広範な頒布の手段を不法に使用する ことを含むことができる。)について適用する。このような手続は、電子商取引を含む正当な活動の新たな障害となることを回避し、かつ、表現の自由、公正な 手続、プライバシーその他の基本原則が当該各締約国の法令に従って維持されるような態様(注)で実施される。
注 例えば、締約国の法令の適用を妨げることなく、権利者の正当な利益を保護しつつ、オンライン・サービス・プロバイダの責任の制限又はオンライン・サービス・プロバイダに対する利用可能な救済措置の制限について定める制度を採用し、又は維持すること。
3 各締約国は、正当な競争を保護し、かつ、表現の自由、公正な手続、プライバシーその他の基本原則を自国の法令に従って維持しつつ、商標権及び著作権又は関連する権利の侵害に効果的に対処するため、産業界における協力に向けた努力を促進するよう努める。
4 締約国は、自国の法令に従い、商標権又は著作権若しくは関連する権利が侵害されていることについて権利者が法的に十分な主張を提起し、かつ、こ れらの権利の保護又は行使のために侵害に使用されたと申し立てられたアカウントを保有する者を特定することができる十分な情報が求められている場合におい て、オンライン・サービス・プロバイダに対し当該情報を当該権利者に速やかに開示するよう命ずる権限を自国の権限のある当局に付与することができる。この ような手続は、電子商取引を含む正当な活動の新たな障害となることを回避し、かつ、表現の自由、公正な手続、プライバシーその他の基本原則が当該締約国の 法令に従って維持されるような態様で実施される。
5 各締約国は、著作者、実演家又はレコード製作者によって許諾されておらず、かつ、法令で許容されていない行為がその著作物、実演及びレコードについて実行されることを抑制するための効果的な技術的手段(注)であって、著作物、実演及びレコードに係る権利の行使に関連してその著作者、実演家又はレコード製作者が用いるものに関し、そのような技術的手段の回避を防ぐための適当な法的保護及び効果的な法的救済について定める。
注 この条の 規定の適用上、「技術的手段」とは、一の締約国の法令に従って設計された技術、装置又は構成品であって、その通常の機能において、著作者、実演家又はレ コード製作者によって許諾されていない行為がその著作物、実演又はレコードについて実行されることを防止し、又は抑制するよう設計されているものをいう。 締約国の法令に定める著作権又は関連する権利の範囲に影響を及ぼすことなく、技術的手段は、著作者、実演家又はレコード製作者が、暗号、スクランブリング その他の関連するアクセス・コントロール若しくは保護のための加工又はコピー・コントロールの手法であって、保護の目的を達成するものを適用することによ り、保護の対象となる著作物、実演又はレコードの使用を管理する場合に効果的とみなされる。
6 各締約国は、に規定する適当な法的保護及び効果的な法的救済について定めるため、少なくとも次のことについて定める。
⒜ 自国の法令の範囲内で次の行為から保護すること。
(ⅰ) 効果的な技術的手段の許諾されていない回避行為であって、そのような行為であることを知りながら、又は知ることができる合理的な理由を有しながら行われるもの
(ⅱ) 効果的な技術的手段を回避する手段としての装置若しくは製品(コンピュータ・プログラムを含む。)又はサービスを販売して公衆に提供する行為
⒝ 次の要件を満たす装置若しくは製品(コンピュータ・プログラムを含む。)を製造し、輸入し、若しくは頒布する行為又は次の要件を満たすサービスを提供する行為から保護すること。
(ⅰ) 主として効果的な技術的手段を回避するために設計され、又は生産されていること。
(ⅱ) 効果的な技術的手段を回避すること以外の商業上の重要な目的が限られていること。(注)
注 及びの規定の実施に当たり、締約国は、家庭用電化製品、電気通信機器又はコンピュータ製品がこれらの規定を実施する自国の措置に反しない限りにおいて、その設計又はその部品及び構成品の設計及び選択が特定の技術的手段に反応することを要求することを義務付けられない。
7 各締約国は、電磁的な権利管理情報(注)を 保護するため、著作権又は関連する権利の侵害を誘い、可能にし、助長し、又は隠す結果となることを知りながら次に掲げる行為を故意に、かつ、権限なく行う 者がある場合に関し、適当な法的保護及び効果的な法的救済について定める。さらに、民事上の救済については、そのような結果となることを知ることができる 合理的な理由を有しながら次に掲げる行為を故意に、かつ、権限なく行う者がある場合に関しても、これを定める。
注 この条の規定の適用上、「権利管理情報」とは、次のものをいう。
⒜ 著作物、実演若しくはレコード、著作物の著作者、実演の実演家若しくはレコード製作者又は著作物、実演若しくはレコードに係る権利を有する者を特定する情報
⒝ 著作物、実演又はレコードの利用の条件に関する情報
⒞ 及びに規定する情報を表す数字又は符号
ただし、これらの項目の情報が著作物、実演若しくはレコードの複製物に付される場合又は著作物、実演若しくはレコードを公衆に伝達し、若しくは公衆 により利用が可能となる状態に置くに当たって当該著作物、実演若しくはレコードとともに公衆に伝達され、若しくは公衆により利用が可能となる状態に置かれ る場合に限る。
⒜ 電磁的な権利管理情報を除去し、又は改変すること。
⒝ 電磁的な権利管理情報が権限なく除去され、又は改変されたことを知りながら、著作物、実演又はレコードの複製物を頒布し、頒布のために輸入し、放送し、公衆に伝達し、又は公衆により利用が可能となる状態に置くこと。
8 締約国は、及びの規定に従って適当な法的保護及び効果的な法的救済を定めるに当たり、からまでの規定を実施する措置について適当な制限又は例外を採用し、又は維持することができる。からまでに規定する義務は、締約国の法令に基づく著作権又は関連する権利の侵害に関する権利、制限、例外又は抗弁に影響を及ぼすものではない。
第三章 執行実務
第二十八条 執行に関する専門的知識、情報及び国内における調整
1 各締約国は、知的財産権に関する執行について責任を有する自国の権限のある当局における専門的知識の開発を奨励する。
2 各締約国は、知的財産権の侵害に関する統計資料その他関連情報の収集及び分析並びにこれらの侵害を防止し、及びこれに対処するための最良の実務に関する情報の収集を促進する。
3 各締約国は、適当な場合には、知的財産権に関する執行について責任を有する自国の権限のある二以上の当局の間における内部の調整を促進し、及び当該当局による共同行動を容易にする。
4 各締約国は、適当な場合には、自国の権限のある当局が権利者その他関連する利害関係者の意見を受けることができる諮問部会その他の公式又は非公式の制度の設立及び維持を促進するよう努める。
第二十九条 国境における危険度に応じた管理
1 締約国の権限のある当局は、国境における知的財産権に関する執行の実効性を高めるため、次のことを行うことができる。
⒜ 侵害の重大な危険を特定し、これに対処するため及びこのような危険を軽減するための行動を促進するため、関連する利害関係者及び他の締約国の権限のある当局であって知的財産権に関する執行について責任を有するものと協議を行うこと。
⒝ 国境における知的財産権に関する執行について他の締約国の権限のある当局と情報(侵害物品を含む疑いのある貨物をより的確に識別し、検査の対象とするための関連情報を含む。)を共有すること。
2 締約国が知的財産権を侵害する輸入物品を差し押さえる場合には、当該締約国の権限のある当局は、輸出締約国に対し、差し押さえた物品の輸出に関 与した当事者及び物品の特定に必要な情報を提供することができる。輸出締約国の権限のある当局は、自国の法令に従い、当該当事者及び将来の輸送に対して措 置をとることができる。
第三十条 透明性
各締約国は、知的財産権に関する執行に係る自国の制度の運用における透明性を促進するため、自国の法令及び政策に従い、次の情報を公表その他の方法により公衆が利用することができるものとするために適当な措置をとる。
⒜ 知的財産権の行使のため自国の法令上利用可能な手続、知的財産権に関する執行について責任を有する自国の権限のある当局及び支援を得るために利用可能な連絡先に関する情報
⒝ 知的財産権に関する執行に関連する法令、最終的な司法上の決定及び一般に適用される行政上の決定に関する情報
⒞ 知的財産権に関する執行及びその保護のための効果的な制度を確保するための自国の取組に関する情報
第三十一条 公衆の意識の向上
各締約国は、適当な場合には、知的財産権を尊重することの重要性及び知的財産権の侵害が及ぼす有害な影響について公衆の意識を向上させるための措置をとることを促進する。
第三十二条 侵害物品を廃棄する際の環境への配慮
知的財産権を侵害している物品の廃棄は、当該廃棄が行われる締約国の環境問題に関する法令に従って行われる。

第四章 国際協力
第三十三条 国際協力
1 各締約国は、国際協力が知的財産権の効果的な保護を実現するために不可欠であり、及び知的財産権を侵害する物品の原産地又は権利者の居所若しくは国籍にかかわらず奨励されるべきであることを認識する。
2 締約国は、知的財産権の侵害、特に商標の不正使用及び著作権又は関連する権利を侵害する複製に対処するため、適当な場合には、知的財産権に関す る執行について責任を有する締約国の権限のある当局の間の協力を促進する。このような協力には、この協定の対象となる刑事上の執行及び国境措置に関する法 の執行のための協力を含めることができる。
3 この章の規定に基づく協力は、関連する国際約束並びに各締約国の法令、政策、資源の配分及び法の執行上の優先順位に従って実施される。
第三十四条 情報の共有
各締約国は、第二十九条(国境における危険度に応じた管理)の規定の適用を妨げることなく、次の情報を他の締約国と交換するよう努める。
⒜ 自国が前章(執行実務)の規定に基づいて収集する情報(統計資料及び最良の実務に関する情報を含む。)
⒝ 知的財産権の保護及び知的財産権に関する執行に関連する自国の立法上及び規制上の措置に関する情報
⒞ 適当な、かつ、相互に合意したその他の情報
第三十五条 能力の開発及び技術援助
1 各締約国は、要請に応じ、かつ、相互に合意した条件により、この協定の他の締約国及び適当な場合にはこの協定の締約国となることが見込まれる国 に対し、知的財産権に関する執行を向上させるための能力の開発への支援及び技術援助を提供するよう努める。このような能力の開発及び技術援助は、例えば、 次の分野を対象とすることができる。
⒜ 知的財産権についての公衆の意識の向上
⒝ 知的財産権に関する執行に関連する国内法令の整備及び実施
⒞ 知的財産権に関する執行についての職員の研修
⒟ 地域的に及び多数国間で実施される調整された活動
2 各締約国は、の規定を実施するため、他の締約国及び適当な場合にはこの協定の締約国でない国と緊密に協力するよう努める。
3 締約国は、関連する民間部門又は国際機関と連携してこの条に規定する活動を行うことができる。各締約国は、この条に規定する活動と他の国際的な協力活動との間の不必要な重複を避けるよう努める。

第五章 制度上の措置
第三十六条 ACTA委員会
1 締約国は、ACTA委員会を設置する。各締約国は、委員会に代表者を出席させる。
2 委員会は、次のことを行う。
⒜ この協定の実施及び運用について見直すこと。
⒝ この協定の発展に関する事項について検討すること。
⒞ 第四十二条(改正)の規定に従い、この協定の改正案について検討すること。
⒟ 第四十三条(加入)2の規定に従い、WTO加盟国によるこの協定への加入の条件を決定すること。
⒠ この協定の実施及び運用に影響を及ぼし得るその他の事項について検討すること。
3 委員会は、次のことを決定することができる。
⒜ の規定に基づいて任務を遂行する委員会を支援し、又はこの協定の締約国となることが見込まれる国の要請に応じ当該国が第四十三条(加入)の規定に基づいてこの協定に加入することを支援するため、特別委員会又は特別作業部会を設置すること。
⒝ 非政府の個人又は集団の助言を求めること。
⒞ この協定の実施及び運用に関する勧告(この協定の実施及び運用に関連する最良の実務に関する指針を承認することを含む。)を行うこと。
⒟ 知的財産権の侵害を減少させること(違法な複製及び偽造を特定し、及び監視するための技術を含む。)に関する情報及び最良の実務を第三者と共有すること。
⒠ 職務の遂行に当たり、その他の活動を行うこと。
4 委員会の全ての決定は、コンセンサス方式により委員会が別段の決定を行う場合を除くほか、コンセンサス方式によって行う。委員会がその審議のた めに提出された事項について決定を行う時にその会合に出席しているいずれの締約国もその決定案に正式に反対しない場合には、委員会は、当該事項についてコ ンセンサス方式によって行動したものとみなす。委員会の常用語は英語とし、その作業を支援する文書は英語により作成する。
5 委員会は、この協定の効力発生の後合理的な期間内にその規則及び手続を採択するものとし、これらに関する委員会の審議にこの協定の締約国でない 署名国を招請する。規則及び手続は、⒜議長及び会合の開催、この協定に関連する組織的な任務の遂行及びこの協定の運用その他の事項を取り扱うものとし、⒝ オブザーバーの地位の付与その他委員会がその適正な運営のために必要であると決定する他の事項も取り扱うことができる。
6 委員会は、規則及び手続を改正することができる。
7 の規定にかかわらず、この協定の効力発生の後最初の五年間においては、規則及び手続を採択し、又は改正する委員会の決定は、締約国及びこの協定の締約国でない署名国によるコンセンサス方式によって行われる。
8 に定める期間の後、委員会は、この協定の締約国によるコンセンサス方式によって規則及び手続を採択し、又は改正することができる。
9 の規定にかかわらず、委員会は、特定の規則又は手続の採択又は改正について、締約国及びこの協定の締約国でない署名国のコンセンサスを得ることを必要とすることを決定することができる。
10 委員会は、別段の決定を行う場合を除くほか、少なくとも毎年一回会合を招集する。委員会の第一回会合は、この協定が効力を生じた後合理的な期間内に開催される。
11 委員会は、特定の知的財産の事案に関する国内的又は国際的な執行又は捜査を監督し、又は監視してはならない。
12 委員会は、その活動と知的財産権に関する執行についての他の国際的な取組との間の不必要な重複を避けるよう努める。
第三十七条 連絡部局
1 各締約国は、この協定の対象となる事項について締約国間の連絡を円滑にするため、連絡部局を指定する。
2 締約国の連絡部局は、他の締約国の要請がある場合には、要請を行った締約国の照会に対応することができる適当な事務所又は職員を特定し、及び必要に応じ、当該事務所又は当該職員と要請を行った締約国との間の連絡が円滑に行われるよう支援する。
第三十八条 協議
1 締約国は、他の締約国に対し、この協定の実施に影響を与える問題について書面により協議を要請することができる。要請を受けた締約国は、そのような要請に対して好意的な考慮を払い、回答し、協議を行うための適当な機会を与える。
2 協議(協議を行う締約国がとる特定の立場を含む。)は、秘密とされ、かつ、世界貿易機関協定附属書二紛争解決に係る規則及び手続に関する了解に基づく手続を含む他の手続においていずれの締約国の権利又は立場も害するものではない。
3 協議を行う締約国は、相互の合意により、この条の規定に基づく協議の結果を委員会に通報することができる。

第六章 最終規定
第三十九条 署名
この協定は、二千十一年五月一日から二千十三年五月一日まで、交渉に参加した国(注)及び当該国がコンセンサス方式によって同意する他のWTO加盟国による署名のために開放しておく。
注 オーストラリア、オーストリア共和国、ベルギー王国、ブルガリア共和国、カナダ、キプロス共和国、チェコ共和国、デンマーク王国、エストニア共 和国、欧州連合、フィンランド共和国、フランス共和国、ドイツ連邦共和国、ギリシャ共和国、ハンガリー共和国、アイルランド、イタリア共和国、日本国、大 韓民国、ラトビア共和国、リトアニア共和国、ルクセンブルク大公国、マルタ共和国、メキシコ合衆国、モロッコ王国、オランダ王国、ニュージーランド、ポー ランド共和国、ポルトガル共和国、ルーマニア、シンガポール共和国、スロバキア共和国、スロベニア共和国、スペイン王国、スウェーデン王国、スイス連邦、 グレートブリテン及び北アイルランド連合王国及びアメリカ合衆国
第四十条 効力発生
1 この協定は、六番目の批准書、受諾書又は承認書が寄託された日の後三十日で批准書、受諾書又は承認書を寄託した署名国の間において効力を生ずる。
2 六番目の批准書、受諾書又は承認書が寄託された後に批准書、受諾書又は承認書を寄託した署名国については、この協定は、当該署名国が批准書、受諾書又は承認書を寄託した日の後三十日で効力を生ずる。
第四十一条 脱退
締約国は、寄託者への書面による通告によりこの協定から脱退することができる。脱退は、寄託者が当該通告を受領した後百八十日で効力を生ずる。
第四十二条 改正
1 締約国は、委員会にこの協定の改正を提案することができる。委員会は、締約国に批准、受諾又は承認のため改正案を提示するか否かを決定する。
2 改正は、全ての締約国が批准書、受諾書又は承認書を寄託者に寄託した日の後九十日で効力を生ずる。
第四十三条 加入
1 第三十九条(署名)に定める期間が満了した後、いずれのWTO加盟国もこの協定に加入することを申請することができる。
2 委員会は、加入を申請した国の加入の条件を決定する。
3 この協定は、加入を申請した国がに規定する加入の条件に基づいて加入書を寄託した日の後三十日で当該国について効力を生ずる。
第四十四条 この協定の正文
この協定は、ひとしく正文である英語、フランス語及びスペイン語による原本一通について署名する。
第四十五条 寄託者
この協定の寄託者は、日本国政府とする。


このブログの人気の投稿

【Android au IS04不具合戦争?】auお客様センター上席責任者からの回答

午後2時50分過ぎ、auお客様センターからお電話がありました。

 でも、前半のお電話のやりとりって、これほどまでに客である私の情報が、担当したオペレーターを通じて上席責任者に伝わっていなかったんだろうと、auお客様センターの対応に呆れてしまいました。そういう体質なんでしょうか?




上席「昨日はお電話をありがとうございました。IS04の修理に伴う代用機の手配の件ですが、大谷様行かれましたauショップには8GBSDカードに対応する代用機がなかったということで、私どものほうで、宮崎市内ではございますが、別のauショップで代用機の手配をいたしました。」

私「はい?代用機とは何のお話ですか?」

上席「いや、昨日、大谷様から私どものオペレーターにそのようなお話があったようで、責任者である私のほうで手配いたしました。」

私「え?そんなことで上席責任者に電話を取り次いでくれとオペレーターさんにお願いした覚えはございません。」

上席「そのように承っておりますが・・・」

私「代用機の件については、昨日のオペレーターさんにもお話ししたのですが、情報をきちんと共有されているのでしょうか?」


ということで、私が昨日、責任がとれる上席者に電話を取り次いで欲しいと言う内容が、いつの間にか、auのほうで、「代用機の手配」に変わってしまっていました。

auお客様センターでの会話は録音されているワケですから、その会話を再生すれば話の流れから、私が代用機の手配のためではないことは分かるはず。

昨日、auショップの店員さんには、「しばらく様子をみます」ということをお伝えしていたのですが・・・。

話の本質は、こんなことではありません。


■■

私「私が上席責任者に電話を取り次いで欲しいとオペレーターさんに伝えたのは、昨日(3月28日)の調査結果の経緯を知りたいためです。1か月近くあり、調べますと言っておきながら、調査結果は原因不明ですでは、あまりにもずさんです。」

上席「はい。私どもがご説明できるのは、昨日の担当が申し上げましたように、調査結果は原因不明なので、お客様にはお近くのauショップにIS04を持ち込んでいただき、基盤交換をお願いしたく、その旨をおつたえするだけです。」

私「これまでの説明を聞いていると、基盤交換をすれば治る可能性があるしか言わない。裏をかえせば、基盤交換をしても直らない可能性…

宮崎県日南市で持ち上がった『イクボス』市長のセクハラ・パワハラ疑惑?

【追記:2017年2月24日午前11時45分
 2月24日午前、崎田恭平市長代理人の弁護士からの『文書削除申入書』を受け入れ、本文の一部を削除しております。





☆日南市とは


 宮崎県日南市は、宮崎県の南部に位置し、東に日向灘を臨み、西は都城市・三股町、南は串間市、北は宮崎市に隣接している。2015(平成27)年10月1日現在の国勢調査で、人口は54,090人。平均気温は18.7度で、年間を通じ温暖な気候のため、日本プロ野球、広島東洋カープのキャンプ地として知られている。(データは日南市ホームページより


 この日南市と言えば、2013(平成25)年、日南市の中心市街地・油津商店街の再生を進めるために月収90万円で「現地在住型の日南市テナントミックスサポートマネージャー」を募集したことが話題になった。

2015年11月には核となる『多世代交流モール』がオープン、テナントミックスサポートマネージャーの公約である『商店街の中に20店舗誘致・出店』もほぼ達成され、この3月に任期を終える。
 また、油津港には大型クルーズ船が寄港するようになり、今年は12(すでに1船は寄港済み)の大型クルーズ船が寄港する予定である。


☆崎田恭平市長とは

 日南市は少しずつ活気を戻しつつあるが、この立役者の1人が崎田恭平市長である。

【宮崎市民必見!】宮崎市議会内村健久市議、不倫訴訟に「議員活動の妨害」と主張するも不倫を認め、判決は2016年5月18日

【宮崎市民必見!】宮崎市議会内村健久市議、不倫訴訟に「議員活動の妨害」と主張するも不倫を認め...投稿者 skywalker11




2016年4月21日のTBSテレビ・Nスタ内のコーナー「マルトク特命取材班」で、全国報道。

しかし、放送のあった時間帯は、地元宮崎の系列局であるMRT宮崎放送では「ニュースNEXT」というローカルニュースを放送。

このようなニュースが全国に流れていることだけではなく、内村健久市議が不倫で裁判沙汰になっていること自体を知っている市民・有権者は少ない。

内村市議の不倫相手は宮崎市役所職員の妻。

2年前、その妻が結婚式を挙げる前後から不倫。

夫が妻の様子を不審に思い、LINEを確認したところ、不倫が発覚。LINEには内村市議と妻との生々しいやり取りが。ホテルで密会を繰り返していた。

内村市議は、市議会で子どものLINEの使い方について発言。その市議本人がLINEで・・・

夫は妻と別居。

内村市議には妻子がいる。

昨年3月、夫は内村市議に対して慰謝料請求を行ったが、代理人からの回答書には「そのような事実はなく内村とは無関係」と不倫関係を否定。

昨年、市議選選挙前であることをいいことに、内村市議は開き直りの態度。また、訴えは議員活動への妨害であるとまで言い出す始末。

再選を果たした内村市議は子ども・子育て支援対策特別委員会に所属している。

慰謝料支払いに応じない内村市議に対し、夫は昨年6月裁判を起こしたが、内村議員側の主張は不当訴訟だとして不倫を否定。
夫は証拠としてLINEの記録を提出すると、内村市議は不倫事実を認めて男性に対しようやく謝罪した。



裁判は2016年5月18日、宮崎地方裁判所で結審する。



それを受けて内村健久市議は、議員辞職を含めて今後の対応を考えるとのこと。