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2010年4月20日に宮崎県で口蹄疫の発生が確認されて10年。
当時、私が市民メディアのPJニュースに提供した記事をご紹介していきます。
書かれて内容は当時のままで、加筆・修正はしておりません。
また、参考URLの中には、リンク切れのものもあることをご了承ください。
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5月8日、外遊中だった赤松広隆農水大臣が帰国した。午後9時、農水省は10日に予定した赤松大臣の秋田訪問を延期し、宮崎県において発生した口蹄疫の防疫対応を把握するため、宮崎県口蹄疫防疫対策本部(宮崎県庁)等を訪問することを発表した。1日でも早い対応が望まれるのだが、この政府の対応はいったい何なのだろうか。しかし、もっと驚くことが5月7日付けの「官報」で分かった。
5月10日、赤松農水大臣は宮崎県庁(宮崎市)にある宮崎県口蹄疫防疫対策本部を訪れ、東国原英夫宮崎県知事及び県議会議長との意見交換を行う。その後、宮崎観光ホテル(同市)で県内の農業関係団体との意見交換を行った後、同じく宮崎市内の九州農政局宮崎農政事務所で関係市町村長等との意見交換を行うことになっている。
口蹄疫の現場である川南町には出向かない。赤松大臣が動けばマスコミも同行するというのが理由らしいが、これまで報道規制を敷いていたのだから、マスコミをシャットアウトすれば良いだけのことである。山田正彦農水副大臣も現場には足を運ばなかった。
現場に足を運び、感染された畜産・酪農農家のみなさんの声を聞き、防疫作業に当たっている方々を励ます。これが「国民の生活が第一。」を掲げる民主党政権の方針であったはずである。「政治が変わった、と感じていただきます。」とは、誰に向けたメッセージというのか。
しかし、ここにきて、新たな問題が浮上した。
5月7日付け「官報」(第5306号)に、「農林水産省告示第708号」がある。家畜伝染病予防法施行規則の一部を改正して施行する内容だが、その署名には「農林水産大臣臨時代理、国務大臣 福島瑞穂」とある。
目を疑った。
福島瑞穂特命担当大臣(消費者及び食品安全・少子化対策・男女共同参画担当)は、宮崎県延岡市出身である。宮崎発の女性大臣ということもあり、県民の期待は高かった。外遊中の赤松農水大臣の臨時代理であったことを知る者は少なかっただろう。
出身県で何の罪もない牛や豚6万頭あまりが殺処分されなければならない状況は、知っていたはずである。いや、臨時代理として職務を果たさなければならなかったはずである。福島大臣が政府の先頭を切って東国原知事に指示をしたというような話は、一切聞いていない。単に書類決済だけの代理であれば、誰でもできる。副大臣もいる。鳩山首相だっている。
臨時代理が臨時に職務を果たさなかったとすれば、この口蹄疫問題は政府によって感染が拡大したと言っても良いだろう。
週明け、赤松農水大臣の宮崎訪問とともにマスコミは一斉に報道するだろうが、このことも新たな火種になるかもしれない。【了】
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