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2010年4月20日に宮崎県で口蹄疫の発生が確認されて10年。
当時、私が市民メディアのPJニュースに提供した記事をご紹介していきます。
書かれて内容は当時のままで、加筆・修正はしておりません。
また、参考URLの中には、リンク切れのものもあることをご了承ください。
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5月11日に行われた衆議院農林水産委員会で、川南(かわみなみ)町を何度も「かわなみちょう」と発言していた赤松広隆農水大臣。やはり、川南町へ足を運んだほうが良かったのかもしれない。さて、今週に入り、地元民放ラジオでは、リスナーからメッセージを寄せてもらい、口蹄疫の被害に遭われた畜産・酪農農家さん、防疫作業にあたられているみなさんを応援するコーナーが開設された。「がんばろう!宮崎」・・・。
宮崎県川南町には、子どものころから不思議に思っていた地名がある。それは、「トロントロン」である。その音の響きが心地よく、家族で県北へドライブするたびに、川南町のトロントロンを通っていた。
もちろん、IT関係の用語ではない。トロントロンと書かれたバス停もあり、私たちにはなじみの地名だが、その由来はあまり知られていない。
地元では、この地名の由来にはいくつかの説があるようだ。
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【その1】
1877(明治10)年、現在の熊本県・宮崎県・大分県・鹿児島県において西郷隆盛を盟主にした士族による武力反乱が起きた。いわゆる西南戦争である。明治初期の一連の士族反乱のうち最大規模で、現在、日本最後の内戦とされている。
この西南戦争で大敗した西郷隆盛の軍勢が日向路を南下して鹿児島に敗走する途中、現在のトロントロン近くの松林の中で休憩した。すると、隊士達の耳に、近くで湧き出す小さな滝の水音が聞こえてきた。「タランタラン、タランタラン・・・」
その水音は、敗戦の疲れを癒してくれるかのようであった。その後、誰がということもなくこの場所をタランタランと呼ぶようになり、年月とともに次第に「トロントロン」と変化して今に継がれるようになった。
【その2】
西南戦争の数年前、地名も何もなかった所に、移住者がポツンと一軒の家を建てた。その近くを流れ出る沼の水が約4mの滝となって、「トロントロン」という水音を響かせ滝壷に落ちていた。このようなことからトロントロンという地名がついた。
【その3】
江戸時代の参勤交代の時、この地で休憩していた武士やお供の者が、近くでトロントロンと流れる水の音を聞いて呼ぶようになった。
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どの説にしても、「トロントロン」が水の音に由来していることに変わりはないようだ。今はトロントロンという水の音の変わりに、道路を走る車の音が大きく聞こえているが、通りを離れると自然豊かな川南町。どこからか水音が聞こえてきそうである。
トロントロンというやさしい水音を聞いた昔の人のように、私たちもたまにはゆったりとした気持ちで、身体や心を癒してくれそうな水の音を聞きたいものである。
口蹄疫の被害に遭われた畜産・酪農農家さん、防疫作業にあたられているみなさん、毎日、休む暇もなく大変だと思います。時には手を休めてください。県民総力戦でこの難局を乗り切っていきましょう。【了】
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