閉館して1年7か月が経ったオーシャンドーム2 posted by (C)cyber
【PJニュース 2011年1月4日】
天候にも恵まれ、宮崎県内の神社や観光地に多くの人が足を運んだ。今年3月に九州新幹線鹿児島ルートが全線開通することで、九州の観光は一つの転機を迎えそうである。その中にあって、未だに活用策が決まっていない観光施設がある。
国のリゾート法第1号の指定を受けたフェニックス・シーガイア・リゾート(宮崎県宮崎市、河本和彦代表執行役社長 )のオーシャンドームは、利用客の減少などを理由に2007(平成19)年9月30日に閉館した。
09(平 成21)年12月、閉鎖されたオーシャンドームなどのシーガイアの4施設について、フェニックス・シーガイア・リゾートは、宮崎県や宮崎市に対して無償提 供を提案した。10(平成22)年1月、オーシャンドーム利活用調査チーム(座長:渡邊亮一県商工観光労働部長)は、公募によるアイデアなどをもとにして 検討を行ってきた。
公募により「多目的施設」「水族館」「ウォーターパーク(オーシャンドーム復活)」の3案に絞り、さらに、費用面での調査が行われた。
「県 民の期待が大きい」とされた多目的施設は、試算で年間3.1億円の赤字。水族館は、近くにある宮崎市フェニックス自然動物園との相乗効果が見込めるも、年 間3.7億円の赤字。オーシャンドームを復活させて季節営業を行えば、赤字は1.5億円まで圧縮できると試算。調査チームでは、中国人個人観光客向けのビ ザ発給条件が緩和されたことで、中国人観光客を呼び込める切り札になるのではとした。
しかし、最終的には「国の支援による再生整備や資金力のある民間企業との連携も考えられる」とし、県や市は無償譲渡を受け入れなかった。フェニックス・シーガイア・リゾートは、施設の解体も含めて株主と検討することにしている。
以前私は、JANJANニュースで、閉館したオーシャンドームを「クジラ水族館」にしようと提案したが、公募された水族館同様、費用面では実現はできないだろう。
その代わりに、「スポーツランドみやざき」の拠点にはならないだろうか。
プ ロ野球のキャンプ地として知られている宮崎県は、プロ野球以外のキャンプを積極的に誘致し、スポーツ施設の充実を図ってきた。キャンプ誘致による経済効果 は大きいものがあるが、宮崎県内のスポーツ選手を育てる環境を整備しなければ、「スポーツランドみやざき」の看板が泣くだろう。
08(平 成20)年、北京五輪で200mバタフライ銅メダルに輝き、その後も素晴らしい成績を残している松田丈志選手は、延岡市の中学校のビニールハウスプールで 練習を積み重ねてきたことは有名な話である。立派な施設がなくとも、素質と努力でオリンピック選手は育つのかもしれないが、それは一握りの話である。
スポーツの底辺層を広げ、次世代のアスリートを育てるためには、地域スポーツクラブの振興と指導者の育成が必要である。他県や隣国からキャンプを誘致するだけではなく、県内で多くのプロスポーツ選手を育てようとする機運が必要である。
そこで、オーシャンドームを全天候型のスポーツ施設にし、県内のスポーツ団体の事務局をここに集約し、さらに、国内外のスポーツメーカーのアンテナショップを開設する。日頃からスポーツに接する機会を多く持つことで、スポーツをする人も増えるだろう。
また、ワールドカップサッカーなどのパブリックビューイングを行い、観るスポーツの充実を図ることで、新たな経済効果も生まれるのではないだろうか。
昨年千葉県で行われた「第65回国民体育大会」で、天皇杯41位、皇后杯45位の宮崎県において、真の「スポーツランドみやざき」になるためにも、オーシャンドームをスポーツ拠点にすることはできないだろうか。【了】
■関連情報
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○閉館したオーシャンドームを「クジラ水族館」に!(09年4月30日)
○松田丈志 ビニールハウスプールのヒーロー 2人3脚でつかんだ銅メダル(08年8月14日)
【YouTube動画】
○ありがとうオーシャンドーム
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パブリック・ジャーナリスト 大谷 憲史
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