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【PJニュース242】東国原英夫・宮崎県知事退任の陰で

東国原英夫宮崎県知事退任式5




【PJニュース 2011年1月21日】

1月20日、東国原英夫知事(53)が、1期4年の任期を満了し退任した。談合事件で逮捕された前知事に代わって2007(平成 19)年に就任した東国原氏は、「(宮崎を)どげんかせんといかん」の言葉で宮崎を全国にアピールし、トップセールスマンとして県産品のPRを積極的に 行った。1期4年は短すぎるという県民の声を背景に、東国原知事は次のステージを目指す。

1月20日午後3時半から県庁講堂であった退任 式で、東国原知事は、「新しい知事の下で、一丸となって県民福祉の向上に努めてほしい」とあいさつした。その後、午後4時半から退任会見が行われた。退任 会見では、東国原知事の今後の動向に関する質問が集まり、「ニュートラルな立場だが、あらゆる選択肢を排除しない」と答え、東京都知事選に出馬するのか、 国政に出るのかは明言しなかった。

午後5時過ぎ、県職員、詰めかけた県民約1500人の前で、東国原知事は「心はいつも宮崎ある」とあいさつした。職員からの花束を受け、県庁をあとにした。2度にわたる国政転身問題や1期4年での退任に批判が出たが、県民の支持率は最後まで9割を超えた。

退任会見で、東国原知事は4年間で一番印象に残ったこととして「口蹄疫」を挙げた。29万頭が殺処分されたことに責任を感じるが、終息宣言を出し、復興への予算付け等の環境を整えたことを強調した。

1月14日、 口蹄疫の被害農家でつくる被害者協議会(吉松孝一会長)は、東国原知事と面会した。協議会は1月5日に、県に対して被害拡大の責任をただす質問状を提出し、知事は「県の対応に怠慢や過失はなかった」と文書で回答していた。

協議会は、空港や港湾の消毒徹底など防疫態勢の強化を求めるとともに、県の初動対応を厳しく追及する農家に対して、知事が声を荒らげる※場面もあった。口蹄疫被害農家は、県には結果責任があるとして不満を示している。

終 息宣言は出されたものの、口蹄疫に関する取り組みは現在進行形である。責任の所在をはっきりさせることなく、復興に向けた予算付けをしたので、あとは新知 事に任せるというスタイルは、本来の東国原知事の姿ではない。就任直後に発生した鳥インフルエンザにおける東国原知事の姿を見れば、一目瞭然(りょうぜ ん)である。

口蹄疫復興対策に徹底して取り組むために2期目を務めれば、退任会見で語った「分権国家体制を実現する志に向かってまい進す る」時期が遅くなってしまう。時期的に、東京都知事選が控え、国政も流動的である。あらゆる選択肢を排除しないと退任会見で語っていたが、今後の動向が注 目される。

最後まで県民の人気を保った東国原知事ではあるが、その陰で口蹄疫からの復興に向けて、歯を食いしばりながら頑張っている畜産農家のみなさんがいることを忘れないでほしい。【了】

■関連情報
【YouTube動画】
東国原知事退任の日~登庁までのドキュメント~
東国原知事退任の日~県議会議長にあいさつ~
東国原知事退任の日~退任式~
東国原知事退任の日~退任会見~
東国原知事退任の日~県職員&県民とのお別れの会~


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※この記事は、PJ個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。また、PJはライブドアのニュース部門、ライブドア・ニュースとは無関係です。


パブリック・ジャーナリスト 大谷 憲史

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